番組フードコーディネーター[エレ]・[ミオ]カプリ島現地取材敢行!

10月のMENU

1
トマトのクロスティーニとフィレンツェ風フェットゥータ
Crostini al pomodoro e fettunta alla fiorentina

Antipasto (前菜料理)

La Fettunta (フェットゥンタ)は、貧しい農民料理から発祥のとてもシンプルなトスカーナ地方の郷土料理。かたくなった塩が入っていない伝統的なパン「パーネ・トスカーノ」をスライスし暖炉などでトーストしてニンニクをこすりつけ、新鮮なオリーブオイルをたっぷりとかけた一皿。塩の入っていないパン「パーネ・トスカーノ」は、12世紀に隣町ピサとの戦争中、フィレンツェで塩が手に入らなくなったことがきっかけに生まれましたと言われています。 仕上げにたっぷりとかけられるオリーブオイルは、特に初摘みのオリーブオイルが出来上がる毎年12月に伝統的にLa Fettuntaを楽しむそうです。香ばしく焼き上げられたパーネ・トスカーノにたっぷりとかけられたnovello(ノヴェッロ)のオリーブオイル。これもまたシンプルな上に贅沢な一品なのです。またトスカーナの各地域にこのLa Fettuntaをベースにレバーのペーストをのせたり、ちりめんキャベツや黒キャベツのソテーがのせられたり、新鮮なトマトとバジルが盛られたりと様々な料理に変化します。

2
レシピ
牛フィレ肉のバルサミコステーキ
Filetto di manzo all'aceto balsamico

Secondo piatto (メイン料理)

地元の熟成肉を使ったフィレ肉のソテー。トスカーナで有名な牛肉は、イタリアを代表する最高級ブランド「キアニーナ牛」。トスカーナ州東部からウンブリア州方面に広がるキアナ渓谷で育てられている牛で大昔から存在するイタリアの在来種。世界で一番大きくて、一番古い種類の牛だそうで。白毛の巨体ががなんとも高貴さを醸し出しています。その昔、エトルリア時代(紀元前約8世紀ごろ)には、神への生贄として捧げられていたそうです。フォレンツェの伝統的な料理の一つ、Bistecca alla fiorentinaに使う牛肉は生後12か月以内の若いキアニーナ牛の肋骨部分。肉の真ん中に骨がT字に入っており、片方の肉がフィレ肉、もう一方がサーロイン。この赤身のキアニーナ牛を1か月かけて血を抜きながら美味しさを高める「熟成肉」を使ったこのフィレ肉のステーキ。旨味が凝縮された赤身肉に塩・コショウでシンプルに焼き上げ、酸味と甘みのバランスが良いバルサミコ酢を肉の表面にからませ、とてもシンプルながらトスカーナ地方の料理の特徴が活かされている奥深い贅沢な一皿です。

3
レシピ
漁師風リングーネ
Linguine alla pescatora

Primo piatto (パスタ料理)

伝統的なナポリ料理の漁師風パスタ。エビ、タコ、小エビ、イカ、アサリ、ムール貝と海に面したナポリだからこそ贅沢に新鮮な魚介をふんだんに使い、魚介の火入れは最低限で。フライパンに魚介を加えたら強火にかけて、調理時間は最低限で火を通し、トマトを加える事で旨味が増し、奥深い魚介のダシが出来上がります。とろんと乳化された濃厚なだし汁にディ・チェコNo.7のリングイーネを加えて仕上げます。切り口が楕円形で平打ちのパスタに濃厚なダシがしみ込み、食べた瞬間にお口いっぱいに魚介の風味が広がること間違いありません。

4
エビとイカのフリット
Frittura di gamberi e calamari

Secondo piatto(メイン料理)

魚介のフリットもまたナポリを代表する郷土料理の一つ。年中いただける料理ですが、ナポリでは特に真夏にたっぷりとレモンを絞っていただく食べ方が典型的です。 水気をよく切った魚介にデュラムセモリナ粉やトウモロコシの粉をつけて180度に熱したオイルで揚げます。揚げ油にはエキストラバージンオリーブオイルやピーナッツオイル、ヒマワリオイルが使われ、魚介の種類ごとに揚げて丁寧に油切りします。イカは3分程度。エビは2分程度に鮮度の良い魚介を使い、良質なオイルを使い、高温で短時間にカラッと揚げることが美味しさの秘訣です。

5
前菜の盛り合わせ
Antipasti misti

Antipasto (前菜料理)

10種類のお皿が並ぶ贅沢な前菜の盛り合わせ。イタリア半島の西に位置するティレニア海で水揚げされた新鮮な魚介がテーブルに並びます。特にローマでは、金曜日はキリスト教の関係で肉食を食べず、魚を食べる人が多くなるので、海に面している立地も合わせて魚料理の消費率も他州よりも高まります。海に近いからこそ鮮度が良く生でいただけるカキ(ostriche)、手長エビ(scampi)、マテ貝(cannolicchi)。素材そのものの味を堪能するために味付けはシンプルにレモン汁を絞って頂きます。小イカのフリット(calamaretti fritti)は、小麦粉をつけて高温のオイルで短時間にカラッと揚げます。小タコのトマト煮込み(moscardini in umido)。小ダコは地中海固有のタコでモスカルディーニ(moscardini)と呼ばれる、マダコよりも小型のタコで、見分けるコツは吸盤。マダコは2列なのに対してモスカルディーニは1列という違いで見分けることができます。ムール貝の蒸し煮(cozze alla marinara)。オリーブオイルとニンニク、トウガラシをベースにムール貝の旨味、ダシが凝縮された一品。ムール貝はイタリア人が一番多く食べている貝で、世界的にもトップ10に入る消費量です。 新鮮な魚介をそれぞれの調理法でいただける贅沢な前菜の盛り合わせです。

6
レシピ
手長エビのクリームリゾット
Risotto alla crema di scampi

Primo piatto(リゾット料理)

手長エビの殻を使い旨味たっぷりのダシをとり、生クリームを加えた濃厚なソースに下茹でした米を加えてリゾットに。香り高い繊細なソースのため、老若男女問わず大好きなメニューの一つです。風味や香りをつけるためにコニャックが使われ、香り付けだけではなく、旨みを閉じ込める効果もあるそうで、手長エビの旨味がぎゅっと閉じ込められたソースに、下茹でした米が加えられ、手長エビの旨味を吸い込んだ味わい深いリゾット料理の完成です。生米から調理すると時間がかかるため、下茹でした米を使うと仕上がりが早く提供することができます。

9月のMENU

1
トスカーナ風前菜の盛り合わせ
Antipasti misti alla toscana

Antipasto (前菜料理)

トスカーナ州の伝統的な前菜の料理が盛りだくさんに一つのお皿にまとめられた一品です。
【オリーブの実塩漬け】
前菜料理には欠かせない塩漬けグリーンオリーブ。
未熟のグリーンオリーブは、完熟の黒オリーブが料理に使われるのとは対照的におつまみとして食されることが多く、イタリアの家庭でも常備されている保存食のひとつです。
【トウガラシのツナの詰めもの】
小さいトウガラシにツナ、ケイパー、アンチョビのペーストを詰めた、南イタリア・カラブリア州発祥の保存食。トウガラシをお酢、水、ローリエで軽く茹でて、水気を切り、そこへツナ、ケイパー、アンチョビのペーストを詰め、オリーブオイル漬けにした保存食です。
【鶏レバーのクロスティーニ】
クロスティーニと言えば、レバーペーストと連想するくらい、トスカーナ州を代表的な前菜料理。トスカーナの塩なしパンと相性抜群の一品です。
【トマトのブルスケッタ】
トマトのブルスケッタは、中部イタリアを代表する前菜料理。語源は、bruscare「炭火であぶる」で、軽くトーストしたパンにニンニクを擦り付けて、ほんのりニンニク香るパンにたっぷりのトマトを乗せて頂く今日ではイタリアを代表するメニューの一つです。
【キノコと赤タマネギのブルスケッタ】
夏は、新鮮なトマトで。秋は、キノコをのせて。季節に応じた旬野菜を楽しめるブルスケッタ。
【トスカーナのサラミ】
トスカーナのサラミは、大き目の脂身と粒黒コショウが入ったスパイシーなサラミ。 味がしっかりしていて、トスカーナの塩なしパンとも相性抜群のサラミです。
【トスカーナの生ハム】
Prosciutto di Toscanoは、EU内の品質保証Denominazione di Origine Protetta DOPに指定されている生ハムで、切り口の表面が黒コショウで覆われており、他州でつくられている生ハムに比べて塩辛いのが特徴ですが、こちらもトスカーナの塩なしパンとの相性抜群の生ハムです。
【パルミジャーノ レッジャーノ・チーズ】
エミリア・ロマーニャ州でつくられているチーズの王様で、イタリアを代表する最も ポピューなチーズです。すりおろして調理使われるのが一般的ですが、スライスして そのまま頂くのも通な食べ方。独特の旨味と甘味、熟成の美味しさが詰まったチーズです。
【ペコリーノ・チーズ】
トスカーナ州のPecorino Toscanoは、EU内の品質保証Denominazione di Origine Protetta DOPに指定されている羊乳製チーズです。ペコリーノ・ロマーノは、イタリア最古のチーズとして、古代ローマ時代からローマ人に食されていた歴史あるチーズ。トスカーナ州では1400年代につくり始められたと言われています。保存か効くように塩辛いのが特徴でトスカーナの塩なしパンよく合うチーズです。

2
レシピ
チーズと洋梨のラビオリ
Ravioli al formaggio e pere

Primo piatto (パスタ料理)

イタリア料理には、甘味と塩味のあるものを組み合わせることがよくあります。 その代表的組み合わせがメロンに生ハムです。味の組み合わせが独特のこの料理は古代から食べられてきた料理だと言われています。 そして、トスカーナ州の伝統的な料理の特徴として素朴な農民料理があげられます。 旬の素材とシンプルな味付けの素朴さが味わい深い美味しさを引き出し、今回のソースに使われているチーズと洋梨の組み合わせは、何世紀にも渡りペコリーノ・チーズと洋梨の組み合わせとして農民や羊飼いの食事として食べられて来た最も古い組み合わせです。 今回は、ペコリーノ・チーズやゴルゴンゾーラ・チーズも使われており、独特な風味のチーズソースの中に洋梨フルーティーさが加わり、ジャガイモとホウレン草のラビオリとの組み合わせが絶妙な一品です。

3
レシピ
一口モッツァレッラ・リンゴとバジルソース和え
Bocconcini di bufala, pesto e mele

Antipasto (前菜料理)

モッツァレッラ・チーズはカンパーニャ州の特産品で、ナポリ料理の基本となる食材の一つです。 独特の縁があるナポリピッツァにおいては、「真」のナポリピッツァの証である条件の一つが、水牛のモッツァレッラ(Mozzarella bufala)を使うことが義務ずけられていたり、カプリ風のサラダは、イタリアンカラー緑(バジリコ)、白(モッツァレッラチーズ)、赤(トマト)に盛りつけれらた彩りのよいサラダだったり、オーブン焼きに使われたり、パスタに加えられたりと様々なメニューに使用されています。 そして、水牛でつくられているMozzarella bufala campana DOPは、EU内の品質保証Denominazione di Origine Protetta DOPに指定されている製品になります。 大きさは様々で、今回メニューに使われていた一口大のモッツァレッラは、Bocconciniと言われ、1個40g前後でサラダやちょっとしたおつまみなどに使われるモッツァレッラチーズです。Bocconciniの他にも1g相当の「小さな真珠」、4g相当の「真珠」…大きいものでは500g級のものまであります。 ジューシーなモッツァレッラ・チーズに芳香なバジルペーストと甘味・酸味のあるリンゴとの組み合わせは一見、違和感のある組み合わせですが。実は、栄養価的にチーズとフルーツの組み合わせは、相性抜群だと言われています。

4
マグロとモッツァレッラのタルタル
Tartare di Tono Rossi con Mozzarella, pompelmo e velo di pesto al Basilico

Secondo piatto(メイン料理)

気候の温暖な南イタリアでは、チーズの保存性を高めるためにパスタフィラータという独特の製法が発展しました。パスタは「生地」、フィラータは「糸状に割ける」という意味で。「パスタフィラータ」とはカード(チーズのもと)に熱湯を加えて弾力がでるまでよく練ると繊維のように糸状に裂け、食べると弾力があるチーズが出来上がります。 熱湯で練ったチーズを二人掛かりで熱々のうちにモッツァレッラの語源にもなった「引きちぎる」と言う作業を経て、サラモイアと呼ばれる塩水の中に落として生地を引き締めることによって、表面に薄い表皮がつくられ、ジューシーなチーズが出来上がります。またジューシーなモッツァレッラ・チーズを美味しく頂くため、モッツァレッラ・チーズは冷蔵庫に入れません。真夏でもサラモイアに漬けられ、常温で保存し、柔らかくジューシーな食感や味を楽しむのです。 脂肪分たっぷりな水牛のモッツァレッラ・チーズにマグロの赤身とグレープフルーツの酸味とさっぱり感があいまって、海辺で頂くにはお料理としてはサイコーな一品です。

5
レシピ
スパゲッティ・カレッティエラ
Spaghetti alla carrettiera

Primo piatto (パスタ料理)

Spaghetti alla carrettieraは、南イタリア発祥のパスタで、ニンニク、トウガラシ、トマトが入ったソースで、アラビアータソースと同じですが、フィレンツェでは「Carrettiera」と呼ばれています。カレッティエラ「Carrettiera」とは “馬車引き(馬車・荷車を引く人)”という意味で。なぜこの名前つけられたかというと。 馬車・荷車を引く人が寒い冬に外で客待ちする時に身体を温めるためニンニクやトウガラシを食べていた説、忙しい合間に食べるパスタだからこそシンプルな具材と細めのパスタを合わせた説、その昔、パスタは路上にある屋台で食べられていたものでした。屋台なので簡単な材料で作られていたいため、ニンニク、トウガラシ、トマトとシンプルな材料で作られ、庶民の空腹を満たして来た説と様々な謂れが残っています。 そしてこのソースをベースに各地で食材が加えられ、様々な郷土料理へと発展して行きました。時にはチーズを加えたり、アンチョビが加えられたり、キノコが加えられたりと。シンプルな料理が好きだったトスカーナの人たちは、よりシンプルなレシピで今日に受け継がれて来たのかもしれません。

6
フィレンツェ風Tボーンステーキ
Bistecca alla fiorentina

Secondo piatto (メイン料理)

Bistecca alla fiorentinaは、フィレンツェを代表する郷土料理でフィレンツェの街中でも本当のBistecca alla fiorentinaに出会うのは難しいと言われています。 そして本物のBistecca alla fiorentinaには、細かい決まりごとがあります。
・ビステッカにする肉は、トスカーナで飼育されたキアニーナ牛の仔牛の背肉とヒレ肉をT字型の骨をつけて、肉の厚さは最低指2本分以上の厚さにカットする。
・と殺したての肉は筋肉が硬いため、10日~20日間の熟成期間をとる。
・調理前は少なくとも3-4時間前には冷蔵庫から肉を出し常温に戻して、肉は叩かない。
・肉を焼くときは塩をせず、炭火で鉄の網を使って肉を焼く。
・肉汁を閉じ込めるため、フォークを使わず肉を回転させる。
・表面がほどよく焼ける程度で肉汁を閉じ込める。つまり焼き加減はレア。
・焼くときは、肉を寝かせて8-9分(片面4分~4分半)、肉を立てて側面を3-4分焼く。
・最高品質の牛肉そのものの旨味を味わうため、味付けはトスカーノ産のオリーブオイル、塩、コショウのみとシンプルに頂く。など、細かな規定になっています。
大きな肉の割には、焼き時間が短いので切り口は本当にレア。焼き加減のお好みは個人差ですが、キアニーナ牛でつくられる本物のBistecca alla fiorentinaを是非、本場で見つけてみてください。

8月のMENU

1
アサリのスパゲッティ
Spaghetti alle vongole

Primo piatto (パスタ料理)

アサリのパスタと言えば、赤(rosso)か白(bianco)か。イタリア料理として代表的なメニューの一つで、典型的なナポリ料理です。このメニューの起源は非常に古く、もともとアサリのパスタと言えば、トマトもしくはトマトソースで仕上げる「spaghetti alle vongole in rosso」だったと言われています。ティレニア海で獲れる新鮮なアサリとトマトの一大産地だったカンパーニャ州で誕生したこのメニューは、相性抜群の組み合わせ。そしてアサリの美味しさを最大限に味わうには、しっかりとしたアルデンテに茹でられた乾燥パスタがこれまた相性抜群。アサリの美味しいだけでなく、パスタもしっかりアルデンテに茹でることが重要なこの料理は、まさにアサリとパスタ両方の産地であるカンパーニア州が誇る郷土料理なのです。さらにアサリのパスタと言えば、赤(rosso)か白(bianco)か?は、「alle vongole in bianco」は、伝統的な「alle vongole in rosso」の後に誕生したメニューだとか。オリジナルのレシピは、アサリの殻を外して身だけを使っていたと言われています。元々はアサリ(vongole)ではなくテッリーネ(telline)というアサリよりも小ぶりの二枚貝で作っていたそうです。テッリーネは、別名「la chamele gallina」と言われ、北部で食べるアサリのパスタに使われていることが多いそうです。ナポリで食べられるアサリのパスタに使われている「la vongola verace」(真のアサリ)と似ており、混同されやすいアサリです。また使われるトマトは古くからヴェスヴィオ山麓の限られたエリアで栽培されてきた伝統的なトマト品種であるピエンノロ種。現在では品質が保証されている「Pomodorino del Piennolo del Vesuvio D.O.P.」指定されているため、高価なトマトとなっていますが、ミニトマトを房状にまとめて日陰で干して長期保存ができる保存を目的にした完熟したトマト。ピエンノロ種は通常のミニトマトよりも皮が厚く丈夫で梗から実が落ちにくいという特徴があることからこのような保存方法で使われてきた常備品でした。 2017年7月(2)解説にも記載。

2
レシピ
マグロのステーキ
Tonno alla griglia

Primo piatto (パスタ料理)

イタリア人が年間一人あたり平均約20kgを食すると言われているマグロ。前菜、パスタ、メイン料理と幅広くメニューに使われている食材です。日本人も大好きな魚ですが、シチリア沖で獲れるクロマグロが日本へ輸出され、私たちの食卓に並んでいたことをご存知でしょうか。シチリア島の最西端の街トラーパニでは、春の終わりから夏の初めにかけてやってくるクロマグロ漁が行われます。かつて「トンナーラ」(tonara)と呼ばれるマグロの加工場があり、カラスミ、オイル漬けなどのマグロ加工品が盛んに作られていました。またトラーパニのマグロと言えば、古代から伝わるマグロ漁「マッタンツァ」(mattanza)が有名。今ではなかなか見かけなくなってしまった伝統的なマグロ漁の方法です。シチリア以外にもマグロの回遊路でもある、リグーリア州、サルデーニャ州、トスカーナやナポリの沖合でもマグロ漁は行われてきました。マグロは魚の中では唯一「血が熱い」魚だそうで、イタリア語では「サングエ・カルド」(sangue caldo)と呼ばれます。なぜ「血が熱い」のかと言うと。マグロは体温を海水より高く保って、広大な海域を回遊する体力を得るためで、季節に合わせて海水温が最適の場所へ移動します。そのため、マグロを獲った直後に適切な処理をすることが美味しさを保つ秘訣。
船上で水揚げされたら、すぐに締め、氷の中に入れて冷やさないといけませんが。イタリア人は魚の締め方、輸送・保存方法を熟知しておらず、なかなか美味しい状態で流通させることができず、日本で見るマグロより赤みが強いと言われることもあります。また、日本人のように魚をさばくこともでできないので、ほとんどが魚の調理法は、丸ごと焼かれたり、マグロのような大きなお魚は、薄く輪切りにした状態でフライパンで焼かれ、シンプルな調理方法で頂く料理は素材そのものの美味しさを頂く醍醐味が味わえる料理。やはりナポリのような海沿いの新鮮な素材がいただけるところで頂きたい一皿です。

3
レシピ
タコのグリルと有機野菜のサラダ
Polpa alla griglia con insalatina bio di Primavera

Antipasto (前菜料理)

色鮮やかなグリーンピースのピュレにタコの赤色、ピンクグレープフルーツのピンクが華やかに彩る春らしい色合いのサラダ。仕上げに添えられているプンタレッラは、ローマの春野菜。ほろ苦さがある野菜で千切りしたプンタレッラを水につけておくと、くるんとカール状になって、見た目にも躍動的な盛り付けに仕上がります。イタリアでは、タコ(マダコ)は、polpo(ポルポ)。「polpo verace」(ポルポ・ヴェラーチェ)という呼び方もよくします。「ヴェラーチェ」とは、「岩場」のタコという意味。その他に「砂場」のタコ「polpo sinisco」(ポルポ・シニスコ)と呼ばれるタコもいて、岩場のタコの方が砂場のタコよりも美味しいと言われています。この二つを見分けるポイントは、岩場のタコは吸盤が2列、砂場のタコは1列なんだそうです。もう一つ、地中海固有の種で「moscardino」(モスカルディーノ)というタコ。モスカルディーニは主に泥地に棲み、マダコよりも小さいサイズで、小型のものはイイダコにそっくりですが、イイダコは東アジア固有のタコ。見分けるコツは吸盤で、マダコは2列なのに対してモスカルディーニは1列だそうです。タコも南イタリアには欠かせない素材の一つで、 あらゆる料理に使われメニューも豊富です。

4
アンチョビのスパゲッティ・ピスタチオとリコッタチーズのソース添え
Spaghettone cotto nel latte di mandorla colatura di alici e pistachio, arancia e ricotta

Primo piatto (パスタ料理)

パスタの仕上げにふりかけられた堅焼きパンを砕いた「taralli」(タラッリ)は、プーリア州の伝統的な堅焼きパンで、プーリア州、カンパニア州とカラブリア州など南イタリアの多くの地域で製造され、生地の中に練り込まれるものがそれぞれ異なり、各地独特のレシピがあります。また調味料に使われていたイワシの魚醤は、「colatura」(コラトゥーラ)と呼ばれる、起源が古代ローマ時代「garum」と言われていた魚醤。古代ローマ時代は、調味料の一つ塩味として使用されてきました。「garum」は一度絶滅し、13世紀頃アマルフィ海岸のチェターラ(CETARA)という小さな街でつくられるようになりました。カタクチイワシの内臓と頭を取り除き、「terzigno」(テルジーニョ)と呼ばれる木樽の中で重石をしながら塩漬けし、発酵させてつくられます。そして「vriale」と呼ばれる穴あけ工具を使い、樽の底に穴をあけ、重石によって押し出された琥珀色の液体が「coratula」となります。あらゆる南イタリアのエッセンスを加え、シェフの創作意欲が表現された一皿です。

5
春の前菜盛り合わせ
Antipasti misti di primavera

Antipasto (前菜料理)

春を感じる味覚が詰まった前菜の盛り合わせ。地産地消の素材にこだわった女性シェフの創作料理が味わえるお店らしく、野菜中心のヘルシーさが感じられたり、お花があしらわれていたえりとシェフの優しさが詰まった前菜の盛り合わせです。
「ホウレン草とキノコのサラダ」:
 ホウレン草に散らされたエディブルフラワーが色のアクセントに。柔らかい食感のサラダにカリカリのクロカンテが食感のアクセントにもなっています。
「ホウレン草とリコッタチーズのタルト」:
 ホウレン草に包まれて焼かれていますが、あっさりとしたリコッタチーズに、細かく刻  んだほうれん草、パルミジャーノ レッジャーノ・チーズ、タマゴなどを混ぜ合わせてオ  ーブンで焼いた濃厚なタルト。
「アーティクチョークのカルパッチョ」:
 スライスしたアーティチョークをシンプルに味付けした素材・鮮度が味の決め手の一皿。
「アスパラガスとネギのフリッタータ」:
 アスパラガスとポロネギのオムレツ。アスパラガスのオムレツは、典型的な春のひと皿。  アスパラガスは、イタリアの中央に位置するウンブリア州の特産品でもあり、ペルージ  ャの山間部では、自生する野生のアスパラガスで作ることもあります。
「ペコリーノチーズとソラマメのクロスティーニ」:
ペコリーノとソラマメの組み合わせは、5月のメーデー近辺になるとローマを中心とす  る中部イタリア食されるメジャーなメニュー。それを塩気の効いたパンチェッタといっ  しょにクロスティーニでいただく、季節感が味わえる一品。フェレンツェではソラマメを「baccelli」(バチェッリ)と方言でいうことから一般的な「fave」(ソラマメ)  ではなく「baccelli e pecorino」と呼ばれています。

6
レシピ
イラクサのニョッキ・ペコリーノチーズと黒トリュフのソース
Gnocchi di patate all'ortica in salsa di pecorino e tartufo di nero

Primo piatto (パスタ料理)

イラクサは、2000年以上もヨーロッパで愛用されてきた、春に芽吹き、ビタミンや鉄分、カルシウムが豊富な歴史的なハーブ。葉の表面に無数の毛に覆われていることから、北欧では寒さにさらされた時に皮膚の血行を良くするために使用されていたと言われています。また古代ローマ兵も寒冷地で冷えた体をイラクサの葉でこすっていたと言われ、あらゆる薬効成分が知られイタリアでは、千の効能がある万能ハーブとも言われています。1800メートルを超える高地でも採れることができ、料理をはじめ、お茶などにも使われています。そんな万能なハーブを茹でたジャガイモ、小麦粉に練りこんだニョッキにウンブリアの特産品のペコリーノチーズ、黒トリュフを使った、素材にこだわった地産地消のパスタ料理です。

7月のMENU

1
レシピ
タコのトマトソース煮込み
Polpo al sugo di pomodoro

Secondo piatto (メイン料理)

ナポリで頂くタコ料理には、同じトマトソース煮込みを指す言葉でも「polpo al sugo di pomodoro」「polpo affogato al pomodoro」「polpo alla luciana」とたくさんのメニュー名がありますが。基本の材料は、新鮮なタコ、トマトソースや追加のフレッシュトマト、オリーブの実、ケッパーが入る典型的な材料で作られます。その中でも「Polpi alla lucìana」タコのルチャーナ風は、ナポリ民謡でものお馴染みの「サンタ・ルチア」地区で生まれた漁師料理。傘職人のマリオさんが出かけたレストラン「Ristorante Transatlantico」があるナポリ湾に突き出した卵城の風光明媚なエリアと対岸の陸側の一帯を含む場所で、今でも午前中にナポリ湾沿いを散歩していると小舟で漁から戻ってきた漁師が獲れたての魚介類を販売している風景を見ることができます。その中には必ずと言っていいほど、活きのいいタコが脱走を試みながら並んでいます。そしてこの料理のポイントは、水が追加されないこと。トマトソースとミニトマトだけでフタをしてコトコトと煮込むこと。また「alla lucìana」の場合は、「casseruola di terracotta」という土鍋で必ず煮込まれ、使われるオリーブの実は、ナポリがあるカンパーニャ州のお隣ラツィオ州にあるガエータのオリーブの実を使うとされています。このガエータのオリーブの実は、ラツィオ州の土着品種「イトラーナ種」。塩水漬けとして有名なオリーブの実です。

2
アサリのスパゲッティ
Spaghetti alle vongole rosso

Primo piatto (パスタ料理)

アサリのスパゲッティは、イタリア料理として代表的なメニューですが。ナポリの伝統的な料理。そしてナポリ人にとってはイタリアで一番大切な食事「cena della vigilia di Natale」(クリスマスイブディナー)の重要な料理の一つでもあります。イタリアでは、クリスマスイブには魚介類を食べる習慣があり、イタリア各地に様々なメニューがありますが、ここナポリではクリスマスイブ目前になると大量のアサリが軒を連ねて売られ、大切な日の食卓に並びます。そしてイタリアで一番美味しいアサリとして有名なのが「vongole veraci」(ヴォンゴレ・ベラーチ)と呼ばれている、ナポリ湾が面しているティレニア海で獲れる国産アサリのこと。「vongole comuni」と呼ばれるアサリは、東に位置するアドリア海で獲れる国産アサリのことを言い、特に「vongole veraci」が一番美味しいアサリとされています。イタリアでは国産アサリと輸入アサリの2種類が流通しているので、国産アサリを使うことが美味しいヴォンゴレ・スパゲッティを作る秘決。メニュー名を見て「vongole veraci」と書いてあれば、イタリアで一番美味しいアサリが頂けます。しかし、アサリの火入れは一番難しく、加熱しすぎると身が硬くなり美味しいボンゴレパスタが頂けませんので加熱は必要最低限に。シェフのジャコモさんが作っていたように開いたアサリと煮汁を別にして、固めに茹であげたディ・チェコのスパゲッティにアサリの旨みをたっぷりと吸わせてアルデンテに仕上げるのが更なる美味しさの秘決です!

3
仔豚と黒トリュフのラグーソースのタリアテッレ
Tagliatelle al ragu con maialino e tartufo nero

Primo piatto (パスタ料理)

ペルージャがあるウンブリア州は、イタリアの中南部に位置し海に面していない内陸にあることと、州のかたちから「緑のハート」と呼ばれています。山の幸が豊富で豚肉、キノコ類、オリーブオイルなどをふんだんに使い、パスタも手打ちパスタが豊富に味わうことができます。ペルージャに近いノルチャ一帯では紀元前数世紀も前から生ハム作りが行われてきました。豚肉を扱う技術に長けたノルチーノ(ノルチャの人)は、ローマにも出稼ぎに行くようになり、その評判はイタリア中に知れ渡ったと言います。イタリアで、豚肉を主とした精肉店のことを「ノルチネリア」と呼ぶのはその名残りだそうです。またイタリアで黒トリュフと言えば、ウンブリア州ペルージャ県のノルチャ産と言われほど良質な黒トリュフが収穫でき「ブラックダイアモンド」と珍重され、1月に収穫のピークを迎えます。肉質の柔らかい仔豚肉をじっくり煮込んだ白ラグーソース(トマトが入らないソース)にもっちりとした卵入りのタリアテッレと合わせ、高級食材の黒トリュフを加えることでさらに味わい深い一皿に。

4
レシピ
豚フィレステーキ・アーティチョーク添え
Filetto di maiale con carciofi

Secondo piatto (メイン料理)

ウンブリアの伝統料理には豚を使ったメニューが多く残っています。特にウンブリア発祥のポルケッタ(豚の丸焼き)は代表的な郷土料理。現在では各地に存在しますが、発祥はここウンブリアなのです。ウンブリアの肉料理の調理法はとてもシンプルで、特に豚肉をメインの食材として使うことが多く、くさみ消しとしてハーブやスパイスが豊富に使われます。今回の料理にも「ビャクシン」(ジュニパーベリー)を使ってソテーしています。アーティチョークはアクの強い食材なので、手早くガクを落として、中心部分を可食部とします。変色してしまうのですぐに調理するか、レモン汁などをかけて変色を防ぎます。しかしレモンをかけすぎてしまうと料理の味に酸味がでてしまうので、ほどほどに。イタリアの市場では、ガクをむいて食べやすく売っているお店もあり、バケツに水を張って、レモンがプカプカ浮いた中にむいたアーティチョーク浸かっている風景をよく見かけます。そして仕上げのチーズはペコリーノチーズ。周辺地域と昔ながらの伝統が受け継がれてつくられている「ペコリーノ・トスカーノ」トスカーナ州、ウンブリア、ラツィオ州の一部で生産されている羊乳100%チーズ。香りが独特で塩気の強いのが特徴です。

5
レシピ
鶏のレバーのリゾット
Risotto con fegatini

Primo piatto (パスタ料理)

北イタリア・ヴェネト州にあるヴェローナは稲作が盛んで郷土料理にリゾット料理が多く挙げられます。ヴェローナ近郊で栽培されている小粒系の品種「Riso Nano Vialone Veronese」(ヴィアローネ・ナーノ)は、I.G.P(I.G.Pとは、INDICAZIONE GEOGRAFICA PROTETTA:保護指定地域表示)に指定され、その品質がEU内で保証されています。 イタリアの主要な稲作地帯は、ピエモンテやロンバルディア、ヴェネト州で、北イタリアのポー河沿いの水が豊かな平地で行われ、アルプスの雪どけ水がポー川を潤し、一帯に広がる水田はヨーロッパ一位の生産を誇ります。またパドヴァ周辺では、ガッリーナ(雌鶏)や鶏の肉や内臓までも一緒に米と料理するリゾットがあり、パドヴァ風リゾット「Risotto alla Padovana」(リゾット・アッラ・パドヴァーナ)と名付けられている伝統的なメニューもあります。またリゾットの美味しい作り方は2016年12月解説に記載。

6
牛肉と豚肉のローストとボイルの盛り合わせ
Carrello di arrosti e bolliti con vitello e maiale

Secondo piatto (メイン料理)

ボッリートとは、茹で肉のことを指します。豪快に茹でられたボリュームたっぷりのお肉とロースとしたお肉。長時間煮込むのでお肉自体はとても柔らかく、脂もしっかり落とされて、あっさりとした出来上がり。そして豪快に盛りつけられたお肉の盛り合わせをテーブルまで運ぶのが「carrello」(カッレッロ)とよバレる手押しのワゴン。自分のテーブルにワゴンが横づけされたら、お好きな部位をお好きなだけ目の前で取り分けしてもらい、見てるだけでもワクワクするようなお料理です、そしてこのお料理は、お肉本来の旨みや味を楽しめるシンプルな料理法で、味付けも自分好み。塩、サルサ・ヴェルデ(グリーンソース)、西洋ワサビ、マスタードで頂きます。 ヴェネト州パドヴァ郊外では、パドヴァ鶏を使ったボッリートが有名ですが、一般には、牛や豚の各部位、鶏などを茹でたボッリート・ミストBollito mistoとして、特に寒い冬に好まれる料理です。

6月のMENU

1
ターラント風スパゲッティ
Spaghetti alla tarantina

Primo piatto (パスタ料理)

プーリア州は、イタリアを長靴に例えると「かかと」部分に位置し、南北に400km以上の、長い海岸線がアドリア海に面し、その先端は南東に突き出したサレント半島。アドリア海をぐるりと半島沿いの反対側にはイオニア海に面したターラント湾と長く海に面した州。アドリア海側には美しい砂浜が続き、貝類が多く獲れます。ムール貝は特にプーリア州の伝統料理に多く使われ、前菜、パスタ、メイン料理とメニューも豊富。特に「alla tarantina」(ターラント風)となれば、ムール貝とトマトを使った定番料理。貝類は火を通しすぎると硬くなってしまうので、加熱は最小限にジューシーに仕上げるのがポイント。また、スパゲッティは少し硬めに茹で上げて、ムール貝の旨味がたっぷり溶け出したソースの中で、お好みのアルデンテに仕上げます。ムール貝の旨味とトマトの旨味をスパゲッティにたっぷりと含ませた味わい深いターラントを感じる一品です。

2
レシピ
タコのソテー・そら豆のピューレ添え
Polpo su purè di fave

Secondo piatto (メイン料理)

そら豆のピューレは、プーリア州を代表する郷土料理。そら豆は古代ローマ時代から食されてきた歴史の古い食材の一つです。イタリアでそら豆と言えば、5月1日のメーデーに生のそら豆とペコリーノチーズを食べる習慣が残っていますが、プーリア州では、乾燥ソラマメを長時間水につけ、ローリエを加えて完全に柔らかくなるまでコトコトと煮込み、ジャガイモを加えてクリーミーなピューレにします。そしてイタリア生産一位を誇るプーリア州のオリーブオイルをたっぷりとかけて頂くのがこの料理の醍醐味。タコもまたプーリア料理に欠かせない食材で、グリルや煮込み、パスタなどの温かいメニューから、マリネやサラダの冷たい前菜料理など、様々なメニューで使われます。海に面したプーリア州ならではの頂き方で、ソテーしたタコをのせて、さわやかなミントの香りが食欲を誘います。 また、その他プーリア州を代表するメニューに、そら豆のピューレと茹でたチコリの葉といっしょに頂くメニュー「Fave e cicorie alla pugliese」があります。ほろ苦いチコリとそら豆の甘さが相性抜群の料理です。

3
レシピ
カプリーノチーズとプロッシュートのクロスティーニ
Crostini di caprino semifuso e prosciutto

Antipasto (前菜料理)

Caprino(カプリーノ)チーズは、山羊乳でつくられるチーズのこと。独特の香りと強い塩気があり、古代ローマ時代には羊乳同様、山羊も家畜化されており、山羊乳のチーズも作られていました。山羊乳は母乳に近い豊富な栄養素があり、低脂肪で消化が良く、吸収も良いので、古代ローマ時代から健康食品にされていたと言われています。 トスカーナ地方の伝統的な塩なしパン(2017年3月に記載)に、塩気あるカプリーノチーズと生ハムをのせて頂くクロスティーニ。塩気のないパンとの相性が良い組み合わせの一品です。イタリアには前菜料理にパンを使ったメニューがありますが、ブルスケッタと言ったり、クロスティーニと言ったり。ブルスケッタは、トーストしたパンにニンニクをこすりつけて、オリーブオイルや塩、刻んだトマトをのせたラッツィオやカンパーニャ州発祥の前菜料理。クロスティーニは、ニンニクを使わずトーストしたパンに具材をトッピングしたトスカーナ地方の郷土料理。クロスティーニの他にニンニクをこすり付けたトーストはfettunta(フェットゥナータ)とも呼ばれます。

4
香草トマト・炒ったアーモンドのタリオリーニ
Tagliolini al pesto aromatico di menta, erba cipollina, mandorle tostate e pomodoro fresco

Primo piatto (パスタ料理)

ペーストジェノベーゼは、バジリコをナッツやチーズを潰してつくられるペーストですが、同じく数種類のハーブやナッツ、チーズを潰してつくられるペーストがpesto aromatico。 数種類のハーブをmortaio(乳鉢)で潰しながら香り高いペーストが出来上がります。その出来上がりの色からsalsa verde(緑色のソース)とも言われることがあります。ミキサーなどで撹拌すると熱が加わり、フレッシュな香りを失ったり、酸化を早めるので、乳鉢で潰しながら作ります。ハーブ類はきれいに洗ったら、しっかり水気を切ることがポイントです。そしてチーズやオリーブオイルを加えてしっかりとペースト状に仕上げます。 ケイパー(capperi)は、通常、開花前の花の蕾ですが、今回使われているのは、ケイパーの実(Frutti di cappero)。日本では「ケイパーベリー」として親しまれています。塩漬け後、酢漬けにされたピクルスで独特の風味を加えてくれます。ケイパーとして使われている花の蕾よりも収穫量が少ないため、ケイパーに比べると若干お高めな食材です。またハーブの香り高いソースにミニトマトの旨味も加わり、味をまろやかにしてくれます。そしてローストしたアーモンドが加われば、さらに香ばしさや美味しさが高まります。

5
自家製パスタのトルーチョリ・鹿肉とパルメザンチーズのソース
Trucioli di Cantu’ al ragu’ di cervo con salsa di Parmigiano Reggiano

料理のカテゴリー:Primo piatto (パスタ料理)

機械で押し出されているパスタはTrucioli(トルーチョリ)。木くずを意味するパスタで、カンナを使って木を削った時のように、クルリとしたカール状で表面に軽く溝(線)をつけながら押し出されてくるパスタは、タマゴ入りのパスタでモチっとした食感が楽しめます。そしてこのパスタに合わせるは鹿肉のラグーソース。鹿肉はcarne di cervo。一般的にジビエと呼ばれる野生動物の肉で秋から冬にかけてジビエ料理として楽しまれます。その昔は、ジビエを使った料理は、上流階級の貴族の口にしか入らないほど貴重なものでした。家畜と比べて脂肪分が少なく、タンパク質が豊富な肉ですが、臭みが強く硬さがあるため、臭みを消したり、長時間煮込んだりと、手の込んだ調理が必要です。今回も香味野菜や香草、スパイスをふんだんに使ってコトコト煮込んだラグーソースです。また仕上げに添えられたのは、カリカリな食感のパルミジャーノ レッジャーノ・チーズとサフランで焼き上げたチャルダ(cialda)が、ともに食べた時の食感と旨味、香ばしさがラグーソースのアクセントになっています。

6
レシピ
茹でたコテキーノと赤チコリの天ぷら・かぼチャのペースト添え
Cotechino e fritto di radicchio con pesto di zucca

Secondo piatto (メイン料理)

cotechino(コテキーノ)は、イタリアのクリスマス、お正月料理には欠かせない食べ物で、エミーリアロマーニャ州モデナ地方に代表されるI.G.P.(Cotechino Modena IGP)にも指定されている製品です。豚の皮や頬、首、肩の肉からできており、ナツメグ、クローブ、塩、胡椒などで味付けされて作られる腸詰ソーセージ。 コテキーノの由来はcotica(コティカ)、「豚の皮」という意味からきています。コテキーノの発祥はモデナ近郊のミランドラに始まると言われています。1511年のルネサンス時代、教皇ユリウス2世の軍隊によって町が包囲されたとき、ミランドラの人々は、確保していた豚の皮を食料として使いはじめました。その後、皮の中に練った豚肉を詰め、今日のコテキーノが出来上がったと言われています。そこへ添えられるradicchio rosso di Tardivo(ラディッキオ・ロッソ・ディ・タルディヴォ)。葉が細長く、先が内側に巻き込むような独特なかたちをしています。チコリの一種で、白スジと強い暗赤色、歯切れの良い食感とほろ苦い独特の味がします。このラディッキオは、コテキーノ同様I.G.P.(Indicazione Geografica Protetta)保護指定地域表示として扱われ、産地や生産方法などの基準を満たしたもののみ「ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾ・タルディーボ」として出荷されます。そしてフリット生地はよりシンプルに。小麦粉に炭酸ガス入りのミネラルウォーター加えた生地で、さっくり、ふんわりな食感に。そしてほろ苦いラディッキオを穏やかな味にしてくれるのがカボチャのペーストにヘーゼルナッツの食感や香ばしさが全体の味のアクセントになっています。

5月のMENU

1
ブラルダ牛肉のタタキ
Battuta di carne della Macelleria Brarda al coltello al profumo di brace

Antipasto (前菜料理)

ミラノの人気のエリア「ナヴィリ」地区にあるAl Ponte de Ferr。お店の伝統的なメニューにも挙げられる牛肉のタタキ料理。イタリアでは「tartara」(タルターラ)や「 Battuta」(バットゥータ)とも言われます。「 Battuta」(バットゥータ)は「叩く」ことを意味して、包丁で叩き切ります。 使われる肉の部位は、ヒレ肉やモモ肉。肉質の柔らかい部位を刻んで、そこへ肉の臭みなどをとるために、レモンやレモンの皮を加えます。また、その時に使うエキストラヴァージン・オリーブオイルは、香りが強いオイルよりは、肉の味を邪魔しない軽めのオイルを使うことがポイントです。また、この料理の絶対的な条件は、生肉が新鮮であること。そして肉挽きを使わず包丁で刻むこと。包丁で切ることで熱加わらないようにして、肉の鮮度を落とさないように、手早く調理することが大切です。

2
レシピ
鹿フィレ肉のグリル・ボラのクリーム添え
Filetto di cervo alla brace, crema di muggine e chicchi di melograno Vittorio Fusari

Secondo piatto (メイン料理)

メイン料理にふさわしくVittorio Fusariシェフの創造性が発揮されている一皿。 日本ではあまり日常化されていない鹿肉ですが、イタリアをはじめとするヨーロッパではジビエ料理に分類されます。「ジビエ」(gibier)とは、狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉のフランス語で。イタリア語では「selvaggina」(セルヴァッジーナ)、鹿肉は「cervo」(チェルヴォ)と言われます。手間のかかる調理法が多いため、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきました。家畜の肉と比べるとタンパク質が豊富で脂肪分が少なく家畜肉が一般化されると、狩猟肉は高級品となり、今日では栄養価の部分でも注目を浴びています。 おしゃれで情報に敏感なミラネーゼが集まるナヴィリ地区で食通の舌をうならせる逸品です。

3
レシピ
フォアグラのサラダ
Insalata al foie gras

Antipasto (前菜料理)

三大珍味に代表され、フランス料理の代表的なフォアグラ(foie gras)の歴史は古く、古代ローマ時代に遡ります。古代ローマ時代には、すでに干しイチジクをガチョウに与えて飼育し、肥大した肝臓フォアグラを貴族たちが食していたと言われています。濃厚なフォアグラに相性の良いザクロや洋ナシ、木苺のソースを使ったサラダ。素材のコンビネーションが独創的でニコラシェフのセンスがうかがえる一品です。 また、サラダに加えられていたジャム「Recioto」(レチョート)とは、ヴェローナでつくられている甘口のデザートワインで。ブドウの房の「耳」の部分Recieにちなんだもの。乾燥させたブドウの房レチェ(recie)を使用して作られたジャムで、はじめから糖度が高いブドウなのですが、収穫後3ヶ月間乾燥することでもっと糖度が高くなり、フルーティーで糖度の高いデザートワインが出来上がります。そんなフルーティーなジャムとフォアグラの相性間違えないでしょう。 イタリア国内でも食されているフォアグラですが、イタリア国内でのフォアグラの生産は他のヨーロッパ諸国が規制されているのと同様に禁止され、生産は行われていません。

4
シチリア産マグロのタルタル
Tartare di Tonno alla siciliana

Primo piatto (パスタ料理)

シチリア島の西にあるトラーパニの近海はマグロ漁が盛んです。マグロは数千年も前から地中海全域で食べられていた、と言われ、ファビニャーナ島近くにあるレヴァンツォ島では、紀元前11~12世紀のものと思われる壁画にマグロらしき絵が描かれているそうで、イタリアにおけるマグロの食文化の歴史を物語っています。 マグロは回遊魚の為、5月の上旬から6月にかけてトラーパニの沿岸に辿り着き、街中の市場には生マグロが並びはじめます。鮮度が良いからこそできるマグロのタルタル。 ナス、トマト、ケイパー、アンチョビ、レモンの皮などシチリアの特産品がぎっしりと詰まったタルタルにクルトンが混ざり合って噛み応えのアクセントになっています。

5
レシピ
プンタレッラのサラダ・モツァレッラチーズのクリームとアンチョビ
Insalatina di puntarelle con crema di mozzarella e acciuga del mar cantabrico

料理のカテゴリー:Antipasto (前菜料理)

Puntarella(プンタレレッラ)は、ローマの伝統的な野菜で独特の苦味と食感が一度食べたらやみつきになる冬野菜。アンチョビとオリーブオイルで混ぜ合わせてサラダでいただくのが一般的です。プンタレッラは、チコリの仲間のため、アクが強く、千切りにし、水につけ、アク抜きをしてから調理します。可食部は、株の中心から出てくる花茎の部分。不恰好な形をした野菜ですが、茎の中は空洞で、シャキッとした食感が楽しめます。 千切りしたプンタレッラを水に浸けるとくるんとカール状になり、見た目にも軽やかなサラダになります。そして味の決め手となるアンチョビは、スペイン北部にあるカンタブリア海で獲れる世界一美味しいカタクチイワシで作られるアンチョビ。世界最高品質と称されるアンチョビを使ったドレッシングにモッツァレッラのクリームがアンチョビの塩気と旨味を滑らかにし、ミラノの食通をうならせる前菜料理です。

6
イカとアサリ・カラスミのリガトーニ
Rigatoni con seppie, vongole e bottarga di muggine

Secondo piatto (メイン料理)

リガトーニ「Rigatoni」は、筒状のショートパスタ。魚介のソースともよく合い、魚介の旨味がパスタに染み込み味わい深い食べ応えに。またミニトマトや仕上げのボッタルガでさらに旨味を増し、濃厚な魚介のソースとなっていること間違いありません。 また日本の三大珍味に代表される「カラスミ」は、イタリア語で「Bottarga」(ボッタルガ)と言います。ボラの一種である「Muggine」(ムジーネ)という魚を使用して作られ、イタリア産ボラの中で最も高級なものは、サルデーニャ島のカブラス産と言われています。イタリアでは、カラスミをパウダーにして、パスタの仕上げにかけるなど、料理の一部に使われることがほとんどです。ただ塩気が強いため、仕上げにかけるときは、きちんと塩気のバランスをととのえるのが調理のポイントです。

4月のMENU

1
リヴィエーラアーティーチョークとノストラーレチーズの手打ちパスタ・卵添え
Corzetti con carciofi e formaggio di nostrale

Primo piatto (パスタ料理)

今回ご紹介の手打ちパスタ「Corzetti」(コルツェティ)は、薄い丸型の生地に模様などが刻まれている北イタリア・リグーリア発祥のパスタです。薄く伸ばした生地を丸くくり抜き、その丸い生地に合わせて、木型の表面に刻まれた模様を押して作ります。もともとは、十字架の模様が一般的だったため、「Croce」(クローチェ)が語源。その昔は、押し模様が家紋などの模様が刻まれていたと言われています。そのパスタに合わせる具材は「Carciofi」(カルチョッフィ)、10世紀前後、アラブ人がシチリアに持ち込んだ食材と言われている歴史ある食材の一つです。カルチョフィは種類が豊富にありシチリア種、ローマ種、トスカーナ種などがあげられますが、今回のものはリグーリア海岸(Riviera ligure)に面した温暖なエリアで栽培されている細長いかたちでトゲのあるリグーリア種。生食に向いており、細長い姿のものを「Spinoso」(スピノーゾ)と呼びます。またソースに使われている「Nostrale」(ノストラーレ)チーズは、北イタリアを代表する“山のチーズ”でアルプスの山で夏の間に放牧を行い、そこで搾乳したミルクを使って秋から冬にかけて熟成させてつくる半硬質チーズです。

2
レシピ
グリーン風味・タラのポレンタ包み
Crocchette di patate e baccalà con farina di mais

Secondo piatto (メイン料理)

タラとジャガイモのコロッケは定番メニューでもありますが、通常、揚げ物の衣はパン粉をつけるところを今回は、トウモロコシの粉を使って揚げています。 トウモロコシの粉は、北イタリアで主食となるべく穀物で、通常の食べ方としては、粉と水で練って加熱した「ポレンタ」を主食として頂きます。今回は「Farina di mais」(トウモロコシの粉)をパン粉代わりに衣として使い、柔らかいタラのほぐし身にほくほくとしたジャガイモ、中心には糸挽く水牛のモッツァレッラ、そしてトウモロコシの粉をまとった生地のサクッとした食感がたまらない一品です。 その昔、イタリア北部では、パスタよりも米とトウモロコシの粉(ポレンタ)が中心でした。貧しかった時代、北イタリアの人達はこのポレンタ(トウモロコシの粉)を食べて飢えをしのいだそうです。

3
パンのマッケロンチーニ・シエナ豚ソース
Maccheroncini di pane con salsa di cinta senese

Primo piatto (パスタ)

パンで作られているマッケロンチーニパスタ。トスカーナ周辺の郷土料理には、硬くなったたパンを再利用しメニューが数多くあり、この手打ちパスタもその一つ。 塩が入っていないトスカーナのパンだからこそ、あらゆる料理に再利用できてしまう、郷土料理です。また今回のパスタソースで使用されてるシエナ豚。正式名称は「Cinta senese」(チンタ・セネーゼ)と呼ばれるトスカーナ州シエナ地方で食用に飼育される古代品種の豚です。黒毛に前足部分に白いベルトを巻いたような毛柄が特徴で、生産効率が悪いことから一時期は絶滅しかけた豚でしたが、本ページ(2016年8月)で紹介したパオロ・パリージ氏によって、トスカーナの山奥で生産が復活した幻の豚なのです。普通の豚が180日で出荷できるのに、チンタ・セネーゼは3年半もの年月を要します、エサは昆虫やドングリ・松の実だけ。一般的にドングリを食べている豚は、オレイン酸が豊富で、新鮮な牧草を食べている豚は、リノレン酸やビタミンEが豊富に含まれていると言われています。そして、チンタ・セネーゼは白豚よりも脂身が分厚いのですが、普通の豚と違って、善玉コレステロールが多いのが特徴。またコラーゲンたっぷりで、女性はもちろん、体重が気になる男性にもおすすめの豚肉です。 また今回、シエナ豚を細かく挽いた挽肉と粗く刻んだ2種類を加えています。それは肉の柔らかさと旨みが感じられるように違う挽き方の2種類を合わせ使っています。

4
レシピ
キアニーナ牛のペポーゾ
Peposo di manzo di chianina

Secondo piatto (メイン料理)

「Peposo」(ペポーゾ)とは、牛肉と黒コショウを使ったトスカーナ発祥の赤ワイン煮込みのこと。Peposoのpepo・・・とは、コショウのことで、牛肉と赤ワイン煮込みの中に黒粒コショウなどを長時間煮込むことにより、スパイシーで濃厚な風味と味が楽しめる料理です。 この料理の起源は中世・ルネッサンス期にさかのぼります。 このペポーゾは、フィレンツェの象徴でもあるあのクーポラの教会 サンタ マリア・デル・フィオーレ大聖堂の建築家 ブルネレスキの指揮の元に何年もの歳月をかけて作られたと言われています。肉体労働を終えた職人たちが食べていたと言われており、その当時は、コショウやハーブ、トウガラシは殺菌効果が強いと考えれられており、赤ワインの中に鮮度の落ちた牛肉を入れて赤ワインとコショウで長時間煮込むことで保存の意味もあったと言われています。 シェフのお母さまレンザさんが無造作にフライパンへ牛肉、タマネギを投入する様子は、元祖マンマ料理を思わせる豪快さでした。

5
イカの詰めものポレンタ添え
calamari ripieni con polenta

料理のカテゴリー:Antipasto (前菜料理)

イカの詰め物料理は、イタリア全土に多く存在します。捨てるところなく全てを詰めて頂くことのできるエコ料理。工夫次第で詰め込む具材も選ぶことなく作ることができます。 トマト煮込みや白ワインやバターソテー、そしてオーブンを使ったメニューなど、詰め物やソースのバリエーションが変化したもので楽しむことができます。今回のメニューではポレンタが添えられているので、お腹を満たしてくれる一品になっています。ポレンタの黄色が加わるだけでも彩りよく、食が進む華やかさが生まれます。

6
レシピ
タラのクロスタ・イカスミ入りポテトクリーム添え
Filetto di Merluzzo in crosta con crema di patate

Secondo piatto (メイン料理)

イタリアでタラは獲れませんが、メニューで見るとタラを使ったメニューは数多く存在します。特に塩漬け干しタラ(バッカラ)、干しダラ(ストッカフィッソ)と言った保存食を目的としたタラを使用し、あらゆるメニューに変化します。また生での流通はしていないので、そのほとんどが冷凍を解凍したタラを使うことになります。 今回のメニューにあるタラのクロスタの「Crosta」(クロスタ)とは、表面のかたい皮のことを言い、パン粉を使ってかりっと焼き上げることを指しています。タラのふんわりとした肉厚の食感とは対照的にパリッとパン粉を焼き上げ、パン粉の香ばしさとが相俟って、タラの旨みやイカスミ入りのポテトクリームが三位一体となって味わえる一品です。

3月のMENU

1
スパゲッティ カーチョ エ ペペ
Spaghetti cacio e pepe

Primo piatto (パスタ料理)

ペコリーノチーズ(ペコリーノ・ロマーノ)は、古代ローマ時代から食べられてきたイタリア最古のチーズ。ローマ発祥の羊乳製の硬質チーズで、ローマを代表するパスタ料理には欠かさず使われてきました。今回ご紹介の「Spaghetti cacio e pepe」のCacio(カチョ)はチーズ、Pepe(ペペ)はコショウという意味で、その名の通りチーズと黒コショウを使ったローマの伝統的なパスタ料理です。チーズと黒コショウを使ったシンプルなパスタですが、実はこのメニュー、ローマを発祥とするあらゆるパスタ料理の原型と言われている意味深いパスタなのです。タマゴが入れば、カルボナーラ。豚の頬肉「グアンチャーレ」が入れば、トマトが入らないアマトリチャーナの原型「グリーチャ」(伊Gricia)と。「cacio e pepe」を基本としたメニューの広がりは、ローマの伝統的なパスタ料理を支えてきました。その昔、「cacio e pepe」は、ローマに多く存在して羊飼いたちが食べていた庶民的な料理。素朴な庶民的な料理が今日のローマの郷土料理を支えています。

2
レシピ
ローマ風サルティンボッカ
Saltimbocca alla romana

Secondo piatto (メイン料理)

サルティンボッカ(伊Sasltimbocca)は、ローマを代表する伝統的なメニューの一つで、イタリア語で「口に飛び込んでくる」の意味。調理法が簡単ですぐに食べられることからこのようなネーミングになったとか。薄切りにした牛肉に生ハム、サルビア(ゼージ)の葉を1枚爪楊枝でとめて、サルビア(セージ)の香りを移したバターでソテーします。そして仕上げに白ワインやシチリアでつくられているマルサラ酒などをかけて、一気にアルコール分を飛ばし、バターと乳化させソースを仕上げます。先に紹介のSpaghetti cacio e pepe同様、なぜかローマの郷土料理には、素早くできる料理が多い。せっかちなローマ人の気質が現れているのかもしれない・・・またこの料理、北イタリアのブレシアが発祥とも言われている。しかし、イタリア料理史上、重要な人物Pellegrino Artugi(ペッレグリーノ・アルトゥージ:(イタリア料理の第一人者として、現在でも世界的に有名な人物)が1800年代の終わりにサルティンボッカをローマの歴史あるトラットリア 「Le Venete」で食べたと記述されており、その後、ローマの他のトラットリアでも提供し始めたと言われています。どちらにしてもローマの郷土料理であることは間違いなく、現在に受け継がれています。

3
レシピ
トマトのブルスケッタ
Bruschetta al pomodoro

Antipasto (前菜料理)

トマトのブルスケッタは、トマトの一大産地だったカンパーニャ州ナポリの農民料理から始まりました。その昔は、農民の軽食として食べられていた料理でしたが、今ではイタリア全土で食べられるようになったポピュラーな前菜料理として親しまれています。 トマトの相棒として欠かせないパンは、今回の舞台、トスカーナの塩なしパン。パンに塩が使われるのは普通のことと思われがちですが、トスカーナの塩なしパンが誕生した背景には、国と国との戦争によるもの。仕方なく塩の入っていないパンが誕生しました。その原因となったのが、12世紀に起こったフィレンツェとピサの戦争。フィレンツェのライバルのピサは海運国と栄えていました。一方、フィレンツェは内陸に位置するため海はありません。そこで敵国ピサは、フィレンツェへ塩の流通をストップさせる戦略をとりました。その結果、フィレンツェでは塩の値段が跳ね上がり、あまりに高価になってしまったので、とうとうパンに入れることができなくなり、塩が入っていないパン「パーネ・トスカーノ」が誕生したのでした。そんな時代を経て塩が安く手に入るようになっても、パーネ・トスカーノは、今日に残り、トスカーナの郷土料理リボッリータ、パッパ・アル・ポモドーロやパンツァネッラから、クロスティーニや朝食のパンに至るまで、あらゆるものにパーネ・トスカーノが使われています。また最近では健康のための減塩を意識する人も増えて、理想的なパンとも言われています。パーネ・トスカーノは、塩気のない分、蒔で焼くことで、パンに蒔の香りがうつり、香ばしいパンが出来上がります。

4
オマール海老のスパゲッティ
Spaghetti all'astice

Primo piatto (パスタ料理)

イタリアでも高級食材のオマールエビを豪快に使ったパスタ料理。一般的にオマールエビは(伊 Astice)と呼びますが、地方によって呼び名が変わります。甲殻類の中でも一番大きいエビであることから(伊Elefante di mare)海の象と呼ばれることもあります。 香ばしく焼いたオマールエビの香りと旨味がギュッと詰まったソースにトマトの旨味もプラスされ、濃厚な海の幸が味わえる一品。オマールエビもしっかりいただけるので、メイン料理とパスタがいっしょにいただける豪華な料理です。日本人同様エビ好きのイタリア人、三方を海に囲まれている土地柄、海の幸が豊富に味わえますが、その昔はなかなか内陸で魚介類を食べるのは勇気がいるお話でしたが、海のない内陸フィレンツェでナポリ料理を味わえるのも文化の発展のおかげでしょう。 またイタリアでは、クリスマスイヴの24日は肉を断ち厳かに過ごすことから魚介類を食べる習慣があります。地方によってクリスマス料理は様々ですが、オマールエビがクリスマスの食卓に登場することもあります。

5
ブルスケッタの盛り合わせ
Bruschette miste

料理のカテゴリー:Antipasto (前菜料理)

4つのブルスケッタが楽しめるブルスケッタの盛り合わせ。 トマトのブルスケッタは、先に記載した通りですが、今回は、ブルスケッタの盛り合わせ。
・黒オリーブのペーストとドライトマト
・ンドゥイア
 「ンドゥイア」(伊‘Nduja):カラブリア州の辛いサラミ。腸詰と言っても盲腸に挽いた豚肉、岩塩、乾燥赤唐辛子を混ぜて詰め、そしてスモークしてから乾燥、熟成させたもの。
・アーティチョークのクリーム
・ニンニクとオリーブオイル、塩だけのガーリックトースト:ブルスケッタの原型。
イタリアの前菜で欠かせないものにブルスケッタ(伊Bruschettart)と同じくクロスティーニ(伊Crostini)と言うパン料理があります。よくその違いと問われますが、イタリアでは厳密に区別がなく・・・強いて言えば、ブルスケッタの語源は、あぶって表面を焦がしたものブルスカーレ(伊bruscare)で。トーストしたパンにニンニクを擦りつける、ガーリックトースト。もともとは、古くなったパンを美味しく食べるために庶民が工夫した食べ方だと言われています。トマト以外にも地方地方で異なった食材をのせることがあります。またそれに類する料理でクロスティーニ(伊Crostini)という料理があります。これはパンをトーストし食材をトッピング。中部イタリア・トスカーナ周辺では、クロスティーニが一般的に前菜料理として登場します。

6
レシピ
キノコのローマピッツァ
Pizza romana con funghi

Pizza (ピッツァ料理)

イタリアといえばナポリピッツァが有名ですが、すべでのピッツァがナポリのモチモチとしたピッツァではなく、ローマピッツァというものもある。名前の通り、ローマで誕生したピッツァ。ナポリ風とは対処的に、生地が薄くパリッとしたクリスピーなピッツァ(伊scrocchiarella)でナポリピッツァより軽くいただけるということで人気です。 ナポリピッツァは、生地にオイルを加えないが、ローマピッツァは生地にオリーブオイルを加える。そして生地を薄く伸ばし、ナポリピッツァにある(伊 cornicione)コルニチョーネ(額縁)がない。生地の水分をしっかり飛ばして焼き上げるため、焼成時間も長い。ナポリピッツァは、蒔を使った石窯で450℃から500℃で50秒から90秒焼くところを、ローマピッツァは約350°Cで3分焼く。発酵時間が長いため、胃に負担がかからず、消化に良いとされており、ナポリピッツァと対照的な作り方で生まれたローマピッツァはローマっ子に大変人気のメニューです。

2月のMENU

1
レシピ
ナポリ風ミックスフライ
Cuòppo napoletano

Antipasto (前菜料理)

Cuòppo(クオッポ)とは、円錐状に巻かれた紙のことを言い、そこへ揚げたてのフリットミストを入れて売られているナポリの伝統的な揚げもの料理です。今ではピッツェリアの前菜料理として提供されている料理名になっていますが、ナポリの庶民のおなかを満たしてくれる屋台料理です。クオッポ自体は揚げ物の器としての名前ですが、数種類の揚げ物と大きさの異なる揚げ物をcuoppoにつめて熱々を頂くナポリのファースフードだったのです。今回は6種類の揚げ物が盛りつけられていましたが、一番ナポリ的な揚げ物は、Frittatine di pastaとZeppolline di mare。Frittatine di pasta napoletaneは、パスタのコロッケ。残ったパスタに具材を混ぜて作られる残り物を上手に再利用したナポリの伝統的な家庭料理。そしてグリーンピースとハムは、必ず加えれられる具材になります。またZeppollline di mareのナポリを代表するスナック料理。ピッツァの生地にalghe marine(あおさ・海藻)が練りこまれた揚げ物。アツアツを頂くと口いっぱいに広がる磯の香りと軽い食感がたまらない一品です。

2
アサリのスパゲッティ
Spaghetti alle vongole

Primo piatto (パスタ料理)

アサリを使ったパスタメニューは、イタリア全土でも人気のメニューで、ナポリの伝統的な料理の一つです。ボンゴレのレシピには、トマトが入らないものをボンゴレ・ビアンコ。トマトが入るものをボンゴレ・ロッソと言います。もともとはトマトが入っている「ロッソ」が始まりだと言われています。イタリアで流通されているアサリのうち、「vongole velaci」と表記されているものは、国産アサリを意味し、国内で養殖されているのアサリも含まれます。また「vongole lupini」(ボンゴレ・ルピーニ)と言われているアサリは、漁獲のほとんどがアドリア海にあり、味が濃厚で美味しいアサリのパスタができるということで大変人気のアサリになります。調理のポイントは、アサリの身が硬くならないように火を通し、オリーブオイルとアサリのだし汁をしっかり乳化させること。ついつい火を通しすぎてしまうアサリをふっくらと仕上げ、乳化されることによって、とろみのついたソースとスパゲッティのからみが美味しさの秘訣です。

3
特製サラミと生ハム・チーズの盛り合わせ
Affettato misto di salumi e formaggi

Antipasto (前菜料理)

ウンブリア州にあるノルチャという町は、昔から豚肉の加工盛んでノルチャ一帯では紀元前数世紀も前から生ハム作りが行われてきました。その町に由来して豚肉を扱う技術に長けたノルチーノ(ノルチャの人)と呼ばれたり、イタリアで豚肉を主とした精肉店のことをNorcineria(ノルチネリア)と呼ぶのは、その名残りなのです。 また、生ハムとサラミの盛り合わせに添えられていたフォカッチャは、ぺルージャの町に古くから伝わる「Torta di testo」(トルタ・ディ・テスト)と呼ばれる薄焼きパンです。起源は古代ローマ時代に遡る歴史あるパンで、もともとは「testo」(テスト)という石の上で焼かれていたそうですが、現在では、鋳鉄製で出来た専用の鉄板で焼かれています。古代から伝わる生ハム・サラミの盛り合わせに、古代から伝わる薄焼きパンを頂く、食文化の歴史を感じるウンブリア州の郷土料理です。

4
レシピ
ズッキーニとパンチェッタとペコリーノ・チーズの黒コショウのマルタリアーティ
Maltagliati con zucchini, pancetta e pecorino

Primo piatto (パスタ料理)

Maltagliati(マルタリアーティ)は、タリアテッレを作る際に出る切れ端を無駄なく食べるためにできた、エミリア・ロマーニャ州発祥の手打ちパスタです。隣州のウンブリア州にもそのパスタは伝わり、一般家庭にも浸透しました。形が不揃いの切れ端パスタは、食材を無駄にしない精神から生まれた家庭料理です。手打ちパスタなのでゆで時間が早く、手早く仕上げることができます。独特の香りがするペコリーノ・チーズがとけて、ソースにとろみがつき、ズッキーニとパンチェッタ、トマトの旨みがマルタリアーティにまとい、濃厚な旨みと味わいの中に、黒コショウのスパイシーなアクセントが絶妙な美味しさです。

5
レシピ
ガットー
Gattò di patate

料理のカテゴリー:Antipasto (前菜料理)

ガットーは、ナポリの伝統的な料理で、ボリュームある料理なのでしっかりとした食事として食べられて一品でもあります。名前の由来は、フランス語の「ガトー」(ケーキ)を意味し、耐熱皿にたっぷりと詰められ、焼きあがった見た目はケーキのようです。その昔は、キリスト教の習慣から肉を断つ金曜日に食べられていた料理とされていました。今日のレシピにはサラミやハムが加えれていますが、金曜日に食べるガットーには、それらが加えられておらず、シンプルなレシピで出来ていました。そしてガットーに欠かせないものは、パルミジャーノ レッジャーノ・チーズ、スモークされたプロヴォローネ・チーズ、モッツァレッラ・チーズ。クリーミーなマッシュポテトにさらにコクが加わり、美味しさを引き立ててくれます。仕上げにかけるパン粉の食感がジャガイモのなめらかさのアクセントとなり、美味しさが倍層します。

6
パッケリ・シュエシュエ
Paccheri sciué sciué

Primo piatto (パスタ料理)

「sciué」(シュエ)は聞きなれないイタリア語ですが、ナポリの方言で「急いで!」という意味。ちょっとの時間でもすぐに出来る、簡単なパスタのことを指します。パッケリ・シュエシュエの基本は、トマトベースにシンプルな食材をベースに作られます。カンパーニャ州らしいところはモッツァレッラを加え、仕上げにもトッピングでブッラータというモッツァレッラの中に生クリームが入っている、とてもクリーミーなチーズを使っているので、いっしょに食べることで、とってもクリーミーなーな味わいが楽しめます。また、パッケリは、ナポリの伝統的な大きな筒状のショートパスタで、茹で上げたパッケリが重みに耐えられず、筒状が閉じてしまうときに「パッチ」と音がすることから「平手打ち」の意味を持ちます。筒状が大きいため、そのまま茹で上げてソースと合わせて食べるのが一般的ですが、中に詰めも物をして食べる場合もあります。このパスタは、乾燥パスタ発祥のカンパーニャ州・グラニャーノを代表するパスタともいわれています。

1月のMENU

1
レシピ
ズッキーニとスペック ペコリーノチーズのファルファレ
Farfalle con zucchini, speck e pecorino romano

Primo piatto (パスタ料理)

DOP(保護指定原産地呼称)に指定されている「ペコリーノ・ロマーノ・チーズ」は今から遡ること2000年前以上の古代ローマ時代から作られていたという歴史を物語るチーズ。その名の通り、もともとはローマ近郊でつくられていた羊乳製のチーズですが、首都ローマでの羊乳の確保は難しく、現在ではその生産者の約9割がサルデーニャ島へ移ってしまったそうです。また古代ローマ軍の遠征の食料になっていたり、冷蔵庫のない時代に保存をきかせるため、表面に直接、塩を擦り込んで熟成させる伝統的な製法で作られていた時代受け継いでいるため、塩気の強いチーズになっています。古代ローマ兵は、一人毎日27gのペコリーノチーズ、パン、古代麦のスープを食べることが義務付けられており、ペコリーノチーズは、消化も良くローマ兵の強靭な活力とエネルギー補給になっていたと言われています。羊乳製のチーズのため、独特の香りがあり、牛乳製のチーズよりもチーズの色が白いのも特長です。 スペックは、豚のもも肉を塩漬けしてからスモークし、さらに熟成させた生ハム。 南チロルとも呼ばれるアルト・アディジェのIGP(保護指定地域表示)に指定された製品です。 各家庭に秘伝の作り方があり、スモークする薪の選定によっても風味が変わるデリケートな生ハムです。また薄いカビの層で覆われているのも特徴で、これによって過度の乾燥を防ぎ、くるみやポルチーニのような森の風味がスペックに加わります。また、スペック管理組合では、スペックを美味しく頂く切り方の説明も記載されており、
1)スペックを切る1時間ぐらい前に室温に置いて、香りが広がるようにします。
2)切り方は、薄切り、角切りなど様々ですが、基本は繊維と直角に切ること。一般的なのは、まず幅3㎝に切り、皮を取り除きます。
3)脂身と表面の覆いを好みの量だけ取り除き、厚さ1~2mmにスライスします。
とされています。 スペックのコクとダシの効いたソースにズッキーニとパスタが混ざり合い、仕上げに加えるペコリーノ ロマーノ・チーズが乳化剤の役割を果たし、すべてを一つにまとめてくれています。

2
ルーコラとトマト・牛肉のストラチェッティ・チーズ添え
Straccetti di manzo con rucola e Pomodoro

Secondo piatto (メイン料理)

Straccetti(ストラチェッティ)とはイタリア語のstracciare 「引き裂く、ちぎる」などを意味し、肉を細長く切って炒めた料理のことです。牛肉だけでなく鶏肉や豚肉でも応用できるので、様々なバリエーションがありますが、どんなお肉を使って作っても絶対的に必要なのがRucola(ルーコラ)。イタリアでルーコラは、「Rucola selvatica」(野生種ルーコラ)と「Rucola coltivata」(栽培種ルーコラがあり、一般的には使われているのは野生種のルーコラ。ゴマの風味やほろ苦さが特徴で一度食べるとやみつきになる野菜です。古代ローマ時代からある野菜で媚薬効果があるとも言われ、、、その美味しさの虜になるのはそのせいかもしれません。 イタリア人が大好きなジューシーな赤身肉にほろ苦いルーコラ、そして旨味が詰まったトマトやパルミジャーノ レッッジャーノ・チーズ。余分な脂肪分もなく、野菜も摂れて健康やカラダ作りを気にする方にはオススメな一品です。

3
タコのサラダ
Insalata di polpo

Antipasto (前菜料理)

イタリア料理の前菜メニューに欠かせない、鉄板メニューの一つでもある「タコのサラダ」。 タコは、古代ローマ時代の壁画にも描かれているように、2000年前以上から食されていた食べ物と推測される、歴史の古い食材です。塩茹でしたタコにオリーブオイルとレモンの酸味、味はシンプルながら、グリーンオリーブが加わることで旨味と深みが増します。 海に面した地域では、早朝、漁師が小舟で沖へ出て獲れた魚介類を港で販売している風景をよく見かけます。そんな風景の中で必ずバケツから脱出を試みるタコも。すぐさま漁師に見つかり、バケツに戻されるが、場合によっては、地面に叩きつけられているタコも。 なぜそんなことをするかというと・・・イタリア人的、タコを軟らかく煮る方法がいろいろとあり、生のタコを壁や地面に叩きつけたり、空いたワインボトルで叩いたりして、繊維を壊してから茹でる方法や、面白いものではワインのコルクと一緒に煮てしまうとか。柔らかく煮るための方法は様々があるようですが、ナポリで頂くタコ料理は、どこで食べても本当に柔らかく、茹でるとタコがかたくなるという説を覆す、美味しいタコ料理がたくさんあります。

4
レシピ
リングイーネ・アル・カルトッチョ
Linguine al cartoccio

Primo piatto (パスタ料理)

Cartoccio(カルトッチョ)とはイタリア語で紙包みのことを言い、語源はイタリア語のカルタ(Carta)から由来します。 具材を紙で包んでオーブンで焼いたり、包んで蒸し焼きにする料理も、同じく「カルトッチョ」と言います。アルミホイルなどを使うことがありますが、これもカルトッチョ。 紙で包んで調理することにより、食材の味や香りを高めることができ、食べる直前、紙を破るまで食材の味や香りが閉じ込められたままなので、おいしさが凝縮され最高の状態で食べられます。紙で包んでオーブンに入れる時は、必ず予熱し、200℃で焼き上げるのが理想とされています。「カルトッチョ」は、イタリア全土にあるお料理ですが、海の幸が味わえるナポリだからこそ、たくさんの魚介を使ったパスタを紙で包んで、磯の香りを閉じ込めたナポリならではの一品です。 そして、魚介のパスタに合うのは、めんが平たく、もっちりとした食感が味わえる、ディ・チェコNo.7リングイーネ。魚介の旨味をたっぷりと含み、味わい深い一品です。

5
白トリュフのタリアテッレ
Tagliatelle al tartufo bianco

料理のカテゴリー:Primo piatto (パスタ料理)

世界的にも珍重され「世界三大珍味」にも代表されるトリュフ。 その中でも白トリュフは高値で取引される大変高価な食材。イタリアで「白トリュフ」と言えば北イタリア・ピエモンテ州のアルバ産が有名ですが、中部イタリア・ウンブリア州もトリュフの産地。黒トリュフの産地としての方が有名だったりしますが、白トリュフの産地としては、アルバの次に挙げられる産地です。黒トリュフは、夏に収穫されるサマートリュフもありますが、白トリュフは、10月から12月が収穫の時期となり、ポプラ、柳、カシ、シデ、オークなどに生育し、天気や土壌の条件が整った場所で収穫される、秋の味覚の王様です。ウンブリアで有名な産地は、ヴァッレ・ティベリーナ産、オルヴィエート産、グッビオ産。それぞれも町ではその時期に白トリュフ祭りが行われています。一般的には白トリュフは黒トリュフより香りが柔らかと言われていますが、スライスし立てに漂うトリュフ独特の高貴な香りは、シンプルな手打ちパスタTagliatelle(タリアテッレ)との相性が抜群。白トリュフの香りを楽しむからこそ、余計な味はいらない最高の一皿です。

6
レシピ
豚のボッコンチーニ・パンチェッタ添え セージとバルサミコ酢をかけて
Bocconcini di manzo con pancetta all’aceto balsamico e salvia

Secondo piatto (メイン料理)

ペルージャがあるウンブリア州はイタリア半島のほぼ中央に位置し、土地の70%が丘陵地帯、残りは山岳地帯という地形から「緑のハート」とも呼ばれています。 平地がない土地柄、農業や酪農がとても盛んで、農家では昔から原生種の黒豚を飼い、精肉はもちろん全ての部位を余すことなく加工し保存してきました。そして豚肉の加工職人をイタリア語でNorciano(ノルチャーノ)といいます。これは昔から豚肉を多く産するウンブリア州ノルチャという町の名から由来します。ノルチャ一帯では紀元前数世紀も前から生ハム作りが行われてきました。豚肉を扱う技術に長けたノルチーノ(ノルチャの人)は、ローマにも出稼ぎに行くようになり、その評判はイタリア中に知れ渡ったと言います。イタリアで豚肉を主とした精肉店のことをNorcineria(ノルチネリア)と呼ぶのは、その名残りなのです。 ウンブリア州で豚肉は、土地に根付いた食材のひとつです。今回のレストランも地産地消のお料理を提供するレストランならではのメニューで、豚のヒレ肉を使ったソテー。イタリアでは、肉の切り方によって料理名が変わってきますがBocconcini(ボッコンチーニ)は、ひと口大サイズに切ったお肉を指す言葉です。セージの香りや酸味が効いたバルサミコソースがパンチェッタの脂っこさを和らげ、さっぱりといただけるお料理です。

12月のMENU

1
魚介の前菜 チケッティの盛り合わせ
Cicchetti misti alla veneziana

Primo piatto (パスタ料理)

ヴェネツィアでは、前菜料理をチケッティ(cichetti)と呼びます。もともとはお酒のおつまみにあたる惣菜を意味していて言葉で、語源はショットグラス。「軽く飲む、ちょっとだけ飲む」ことを意味していたものが、「ちょっとだけつまむ」的な意味合いで大皿に盛られたお惣菜をバーカロというヴェネツィア独特の立ち飲み居酒屋で頂けるおつまみ料理です。 今回ご紹介のレストランの前菜の盛り合わせは、ヴェネツィアを代表する海の幸盛りだくさん逸品で、たくさんのチケッティがお皿に盛られています。

・Baccalà mantecato alla veneziana:干しタラのペースト。イタリア全土では塩ダラをバッカラ、干しダラをストッカフィッソと呼びますが、ヴェネト地方では、干しダラをバッカラと呼びます。

・Dentice mantecato:イタリア語では「dentice」と呼ばれるヨーロッパキダイのマンテカート。焼きポレンタを添えるところがヴェネト料理に欠かせないスタイル。

・Acciughe in saor:アンチョビの甘酢マリネ。松の実やレーズン、タマネギをたっぷり使う、ヴェネツィアの前菜料理に欠かせない一品です。もともとは船員の保存食だったとも言われているお料理です。

・Acciughe marinate:アンチョビのマリネ。イタリアを代表する前菜料理。アンチョビを表す言葉で「Alici」と「Acciughe」があります。いずれも同じアンチョビ(カタクチイワシ)を意味しますが、ローマより北部では「Acciughe」、南部では「Alici」と言うことが多いです。

・Canocchie al vapore:蒸したシャコ。こちらもヴェネツィアの前菜料理の定番。シャコはイタリア語では、カノッキエ「canocchie」ヴェネトではカノーチ「canoce」、カンパーニアではスパルノッキ「sparnocchi」など、場所によって違う呼び方が変わります。

・Insalata di uovo di seppie:ヴェネツィア料理の前菜に欠かせない茹でた甲イカの卵巣のサラダ。必ず加熱していただきますが、新鮮だからこそいただける海の幸の逸品です。見た目が真っ白だからでしょうか。牛乳を表す「latte di deppia」や米を表す「riso di seppia」と呼ばれていますが、呼び名として親しまれているのが、「uovo di seppie(ウォーヴァ・ディ・セッピア)」。“甲イカの卵”と呼ばれるのだが、実際には卵ではなくて甲イカの卵巣のことになります。

・Moscardini alla veneziana:ジャコウダコのマリネ。ヴェネツィアの沿岸アドリア海の北から南部までの幅広いエリアで獲れる地中海固有のタコ。名前の由来は、ジャコウの香り(モスカート)がするタコだからとか。小型のものはイイダコにそっくりですが、イイダコは東アジア固有のタコ。モスカルディーニは泥地を好んで生息し、マダコより小さいサイズになります。見分けるコツは吸盤。モスカルディーニは1列のところ、イイダコの場合、太い部分は2列になります。

・Schie con polenta:「スキエ」というヴェネツィアのラグーンとポー川のデルタ地帯で獲れる典型的な小エビ。日本で言う芝海老のようなサイズ感。スキエのグリルとポレンタの組み合わせは、ヴェネツィアの前菜メニューの定番です。

・Capesante grigliata:ホタテの貝柱のグリル。

2
レシピ
カニのソースのニョッキ
Gnocchi di patate con granseola alla veneziana

Primo piatto (パスタ料理)

アドリア海のラグーン(潟)で獲れるヴェネツィアを代表するカニ「Granseola」(クモガニ)。甲羅が大きく細い長い足が特徴でヴェネツィアの方言で「グランセオラ」と呼ばれ、「granso」はカニ、「seola」はタマネギ。この方言が合わさり「granseola」(グランセオラ)と呼ばれています。古代ローマ時代の美食家アピキウスの料理書にも登場するロブスターのようにとても美味しいカニと称されています。 カニの旨味がたっぷりと詰まった濃厚なソースにモチモチとしたジャガイモのニョッキとの絡みが良いパスタ料理です。

3
Carpaccio di mare
Carpaccio di mare

Antipasto (前菜料理)

海に面したジェノヴァだからこそいただける新鮮な魚介の盛り合わせ。 イタリアでもカキは、秋から冬にかけていただく旬の食材。生でいただくエリアは限られていて、食べ方は加熱が中心。しかし、イタリアでカキの漁獲高は少なく、お隣フランスからの輸入物がほとんどです。新鮮な生ガキにはレモンとオリーブオイルでシンプルな味わいを楽しみ、冷えた白ワインが相性バッチリな組み合わせです。

4
レシピ
ペースト・ジェノベーゼ
Pesto genovese

Primo piatto (パスタ料理)

リグーリア州は北イタリアに属しながらも地中海に面していていることもあり、温暖な気候にも恵まれ、海の幸はもちろん、オリーブオイルの栽培や香り高いバジリコが特産品です。 イタリア全土で見てもリグーリア州はバジリコの生産第一位で、特にプラで栽培されているバジリコには「Basilico Genovese DOP」(保護指定原産地呼称)の指定を受けています。地中海を見下ろす斜面に広大なバジリコ畑が広がり、地中海の太陽をいっぱい浴びて育つプラのバジリコは小ぶりの葉っぱが特徴で、収穫時は葉が4~6枚ついた枝を摘み取り、バジリコ独特の濃厚な味わいを作り出します。 バジリコの歴史は、古代ギリシャや古代ローマに遡ります。バジリコはインドから中東経由でイタリアに伝わったと言われています。 またペースト・ジェノヴェーゼ協会が認定している公式のレシピもあり、通常は「Pesto alla Genovese」と呼ばれるところを「ジェノヴァ風」ではなく「Pesto genovese」であると強調しています。そして伝統的な具材は、ジャガイモとサヤインゲン。パスタは切り口が楕円形の平たい乾燥パスタのトレネッテ(リングイネ)を使います。フレッシュな味わいを楽しむため、ソースは加熱せず、パスタの余熱だけでいただきます。

5
フォアグラとホタテのソテー・ズッキーニのクリーム添え
Capesante e fegato grasso d'oca saltate su salsa di crema di zucchini

Secondo piatto (メイン料理)

ホタテはイタリアでも人気の食材のひとつ。海沿い、内陸問わず、豊富なメニューで食べられています。今回は、リストランテならではのお洒落な盛りつけで、フォアグラのソテーにズッキーニの彩りよいクリームがアクセントに。フォアグラの濃厚な旨味にホタテの淡白な味わいがバランスの良い一皿にまとめられています。フォアグラは、ジェノヴァのお隣フランスでは定番の食材ですが。すでに古代ローマ時代から食べられていた食材のひとつ。美味しいものに目がなかった古代ローマ人は、ガチョウに干しイチジクを与えて飼育し、その肝臓を食べたのが始まりと言われています。今ではフランス料理に欠かせない食材ですが、もともとはイタリアが発祥の高級食材なのです。

6
ミラノ風リゾット
Risotto alla milanese

Primo piatto (リゾット料理)

今回ご紹介のレストランでのお食事は、ミラノの郷土料理を代表する二品。 サフランを使ったミラノ風リゾット。ロンバルディア州の州境を東西に流れるポー川流域は、お米の一大産地でもあり、お米を使ったメニューが。郷土料理として今日に伝えられています。 サフランで黄金色に染まったこのリゾットの発祥には諸説がありますが、その一つとして、、、遡ること1574年。ミラノの大聖堂のステンドグラス職人でステンドグラスのあざやかな黄色を作る時にもサフランを使用していたりと、何にでもサフランを使うことから、ニックネームがZafferano(サフランさん)と名付けられた人がいました。親方の娘さんの結婚式にサプライズで、サフランを使って鮮やかな黄金色に染まったリゾットを出したところ、思いのほか大変美味しく、金色に輝くその色が富と繁栄を象徴づけたことから、今日にこのレシピが伝わっていると言われています。 サフランは古代から伝わる歴史の古い食材の一つで、収穫の際は、一つ、一つ手摘みで行わなければならないため、人手がかかり、重量単位で比べると世界で最も高価なスパイスのひとつと言われています。 リゾットを美味しく作る約束ごとは、9月の解説に記載:① トスターラ(tostatura) 調理工程の最初のポイントは、お米を炒めること。炒めることによって仕上がりの歯ごたえが変わると言われています。 ② マンテカトゥーラ(mantecatura) お米全体をふんわりとひとまとまりになるように、空気を含ませながら混ぜ合わせ、同時にツヤと旨味が生まれる状態に仕上げ作業となります。 そして、リゾットの仕上がりの理想は、“米は「al dente」(アルデンテ)で、全体は「all’onda」(アッロンダ)。そして、お好みで「ferma」(フェルマ)” お米は歯ごたえのある状態(アルデンテ)に仕上げ、全体はなめらかに波打つような(アッロンダ)ソフトな状態に。そして最後は、「アッロンダ」よりも水分が少なく、もったりした状態で火を止める(フェルマ)出来上がりが理想と言われています。 また、ついついリゾットは、スプーンで食べがちですが、イタリアではフォークで頂くのがマナーです。

7
レシピ
ミラノ風カツレツ
Cotoletta alla milanese

Secondo piatto (メイン料理)

「Cotoletta alla milanese」と聞いて、ミラノ風“カツレツ”と訳する人は多いでしょう。 しかし、ちょっと厄介な解釈があります。まず「Cotoletta(コトレッタ)」か、「Costretta(コストレッタ)」かという問題。「コストレッタ」は、“リブロース”を指すイタリアの標準語。「コトレッタ」は、コストレッタの北イタリアなまりで、フランス語の“コートレット”が語源だと言われています。仔牛のリブロースの切り身に、溶き卵とパン粉をつけて揚げた料理を意味しますが、単なる“カツレツ”という意味でもないようです。また、仔牛のリブロースを使わないカツレツは、コトレッタとは言わない説。その他にはコストレッタは骨付きで、コトレッタは骨なし、という説。日本人のようにはっきりと区別をつけないところがイタリア的なところでもあるので、ミラノに出かけたら、是非、「Cotoletta alla milanese」を注文してみてください!そしてもう一つの作り方の違いは、肉を叩くか、叩かないかないのか?問題。叩かない場合は、骨の厚さに合わせて最低でも3cmぐらいの厚さと言われています。 肉を叩いた場合は、約1cm以下の厚さで、揚げた後の見た目から「Orecchie d’elefante」(象の耳)とも言われます。店によっては、メニューにコトレッタと書かずに「オレッキア・デレファンテ(orecchie d'elefante)」と書いてあることもあるのでご注意を。 肉を叩いた場合、パン粉を黄金色に焼き色を付けるために加熱時間がかかってしまい、その間に薄く伸ばした肉に火を通し過ぎてしまい、肉質固くしてしまう場合があります。 肉を叩かない場合は、肉厚の分、肉にどれだけ火を通すかがポイントになります。 また“Cotoletta alla milanese”を作る時の基本的なルールもあります。 ・肉の表面には塩をしない。揚げた後に衣の上に塩をかける。 ・澄ましバターを使って、160℃の温度で揚げる。 ・肉の内側はピンク色に揚げ、外側のパン粉はサクサク、富の象徴である黄金色でければなり ません。 ・油切りをしっかり行ない、ペーパーに余分な油を吸わせて提供します。 澄ましバターで揚げることによって、低温でじっくり火を通すことができるので、パン粉がサクサクした状態で仕上がります。 Risoelatteの“Cotoletta alla milanese”は、叩いても十分に肉厚のカツレツが提供されていて、食べ応え充分、肉の火の通し方もパーフェクトな状態で、その美味しさが十分に伝わるお料理でした。

11月のMENU

1
レシピ
カプリ風ラビオリ
Ravioli capresi

Primo piatto (パスタ料理)

肥沃な大地カンパーニャ州に面するティレニア海ナポリ湾に浮かぶ風光明媚の島、カプリ島。古代ローマ皇帝の別荘地としても有名。また世界中の人々を魅了し、多くの観光客、セレブたちが訪れる憧れの島。そんな人を魅了してやまないカプリ島でいただくお料理は、カプリ風のラビオリ。北イタリアの手打ちパスタの基本は、軟質小麦に卵を加えて作りますが、南イタリアの基本は、硬質小麦と水だけととてもシンプル。今回シェフのフランコさんは熱湯で練っていましたが、これは小麦粉のデンプンを糊化して粘性を引き出し、伸ばしやすくし、食感もモチっとして美味しく仕上がるからです。生地を伸ばして、カンパーニャ州の特産品「Caciotta campana」(カチョッタ・カンパーナ)羊乳や山羊乳と牛乳との混合牛で作られるソフトタイプのチーズとマジョラムの香りがする詰め物をして、丸いラビオリスタンプで手早く型抜きします。チーズの旨みが詰まったラビオリと合わせるソースは、ナポリの伝統的な基本のトマトソース「ポモドーロ・エ・バジリコ」。トマトソースに生のトマトを加えることで、よりフレッシュな味わいになり、トマトの旨味とカチョッタチーズのとの相性抜群の一皿です。

2
ペッツォーニャのタルタル
Tartare di pezzogna

Antipasto (前菜)

ナポリ料理には欠かせない魚Pezzogna(ペッツォーニャ)。ティレニア海の広い範囲で獲れる鯛の一種の白身魚ですが、リグーリア州からシチリア州まで様々な方言で呼ばれています。 大きい赤い目が特徴的で、「La Regina del Golfo」(湾の女王)と呼ばれるカンパーニャ州を代表する魚です。ナポリの伝統的な調理法は、ペッツォーニャを丸ごと使った「アクアパッツァ」、鮮度が一番大切なカルパッチョやタルタル料理に調理されます。 そしてイタリアでは、魚は一般的に肉より価格が高いと言われていて、だからこそ海の近いところで鮮度の良い魚を食べるのが常識とされています。 このペッツォーニャは、古代の遺跡が残るポンペイのモザイク画にも登場していて、その存在の古さを証明されています。美食家だった古代ローマの貴族が食べていた魚だと思うと、また思いもひとしおです。オリーブオイルと塩だけでシンプルに味付けされたペッツォーニャのタルタル。ライムの皮のさわやかさとズッキーニのソースがアクセントとなり、鮮度が良いからこそシンプルに美味しくいただけるお料理です。

3
カプレーゼ
Insalata caprese

Antipasto (前菜料理)

モッツァレッラチーズとトマトのサラダ「カプレーゼ」は、日本人にとってイタリア料理の中でも一番メジャーな料理の一つです。 モッツァレッラチーズは、ナポリを代表するフレッシュチーズで、特にDOP(原産地呼称保護制度)に認定されているBuffala(水牛)のモッツレッラは「モッツァレラ・ディ・ブッファラ・カンパーナDOP」と呼ばれ、牛乳製のモッツァレッラよりも味が濃く、濃厚でワンランク上の美味しさです。モッツァレラチーズ名称は、温かいチーズのかたまりを「手で引きちぎる」という動作「mozzare」に由来しています。 お皿に盛りつけられたトマトの赤、モッツァレッラチーズの白。ルーコラとグリーンオリーブの緑で見た目もイタリアンカラー。イタリアでサラダ用のトマトは、完熟された真っ赤なトマトではなく、大型のピンク系のトマトがよく使われます。旨みが凝縮された完熟のミニトマトも添えて、カンパーニャ州で頂く前菜料理には欠かせないお料理です。

4
ナスのポルペッタ
Polpette di melanzane

Antipasto (前菜)

ナスは、南イタリアでは欠かせない野菜で、多くの品種があり、様々な料理に使われます。 もともとはアラブの商人からシチリアに持ち込まれ、南イタリアからイタリア全土に広がりました。ポルペッタは通常、お肉を使った団子状のミートボールを指しますが、ナスの果肉を丸ごと使った揚げ団子もポルペッタ。油との相性も良いナスにパルミジャーノ レッジャーノ・チーズの旨みも加わって、お肉よりもヘルシーな野菜のミートボールは、最近ではヘルシー志向がますます高まり、油で揚げずにオーブンで焼く調理法も人気です。 また、肉団子の大きさを表すイタリア語で、基本の大きさを「polpetta」、基本より大きくなれば「polpettone」、基本より小さいものを「polpettina」とサイズによって呼び方が変わります。

5
レシピ
スパゲッティ シュエ・シュエ
Spaghetti sciué sciué

Primo piatto (パスタ料理)

「Spaghetti sciué sciué」(スパゲッティ シュエ・シュエ)の「sciué」は聞きなれないイタリア語ですが、ナポリの方言で「急いで!」という意味。ちょっとの時間でもすぐに出来る、簡単なパスタのことを指します。ミニトマトとバジリコのシンプルなソースですが、完熟したトマトの旨みぎっしり詰まった、ナポリの典型的な基本のトマトソースです。 使われているミニトマトは、「Pomodorini del PIENNOLO」(ピエンノロのミニトマト)と呼ばれるヴェスヴィオ山麓の限られたエリアで栽培されてきた伝統的なピエンノロ種のミニトマト。DOP(原産地呼称保護制度)にも指定されているブランドトマトです。形は少し縦長で先端部は尖がっているのが特徴、また皮が厚く丈夫で、枝から実が落ちにくい特徴もあり、軒下の風通しの良い日陰に干して保存ができ、翌年の春まで食べられると言われています。旨みがぎっしり詰まったトマトソースにディチェコのスパゲッティを合わせていただく「スパゲッティ シュエ・シュエ」簡単だけど、トマトとパルミジャーノ レッジャーノ・チーズのおいしさが凝縮されたパスタ料理です。

6
レシピ
クルミソース・パンツォッティ
Pansotti alla salsa di noci

Primo piatto (パスタ料理)

リグーリア州の伝統的な詰め物パスタの「Pansotti」(パンソッティ)。特産品のハーブや青菜を詰め物にした手打ちパスタで、伝統的なレシピは朝摘みしたフレッシュな7種類の野草を使用して作られていましたが、今日では入手できる青菜で作られています。いわば日本で言うところの「春の七草」のよう。形は半月かトルテッリの形が一般的で、今回のお店ではトルテッリの形で作られています。そして、その詰め物パスタに合わせるソースがラパッロ発祥のソースだと言われている「salsa di noci」(クルミのソース)。リグーリア州のパスタソースと言えば、ペースト・ジェノベーゼですが、パンソッティといえば、クルミのソース。クルミと牛乳に浸したパン、ニンニク、パルミジャーノ レッジャーノ・チーズ、オリーブオイルを加えてペーストにします。昔ながらの作り方は、大理石の乳鉢「mortaio」(モルタイオ)で材料をつぶしながら作ります。ミキサーで作るのとは、また違う食感の味わいあるソースに出来上がります。 ソースの仕上げには、オリーブオイルの産地ならではの良質なオリーブオイルをひと振りすれば、また味わい深い美味しさになること間違いありません。

7
肉の炭焼き盛り合わせ
Grigliata di carne mista al forno

Secondo piatto (メイン料理)

リグーリア州の地形は、アルプス山脈系やアペニン山脈系の山や丘陵が海岸付近にまで迫り、平地がほとんどなく、約65%近くが山岳地帯、その他は丘陵地帯になっています。 ピエトロさんのアトリエがあるRapallo(ラパッロ)の街は、ティレニア海を一望できる風光明媚なリゾート地の一つ。第一次世界大戦後に結ばれた2つのラパッロ条約の調印地として知られている為、欧米人には良く知られている観光地でもあります。 海の幸が豊かで有名なリグーリア州ですが、州の半分以上は山岳地帯、山の幸も存分に味わうことができます。そして豪快に調理された肉の炭火焼。イタリア人が肉を焼く時のこだわりは、必ず常温に戻してから焼くこと。そして丁寧に肉表面にオリーブオイルを薄く塗って、網焼きします。焼き加減はレア=生肉ではなく、火の通ったロゼ(ピンク)色に焼き上げるのが理想としています。また焼き上がった肉は、すぐに切るのではなく、肉をアルミホイルで覆い肉汁をなじませる。そうすることによって肉汁が全体になじみ、肉がジューシーに仕上がるそうです。焼き加減は、お客様の好みも大切ですが、一番おいしい状態で提供する炭火焼を担当するマルコさんの職人技なのかもしれません。

10月のMENU

1
スズキのカルパッチョ
Carpaccio di spigola

Antipasto (前菜)

アルプスの山々とアドリア海に挟まれたヴェネト平野が広がるイタリアで8番目に大きい州。 アドリア海に面するヴェネツィア周辺は、ラグーン(干潟)に囲まれ、貝類や甲殻類をはじめ海の幸が豊かなところ。そんなヴェネツィアで頂くお料理は、鮮度の良い魚でなければできない、生魚のカルパッチョ。「カルパッチョ」自体は、ヴェネツィアにあるレストラン「ハリーズ・バー」で生まれの伝統的なメニューです。もともとは生の牛肉の薄切りを使ったものでしたが、イタリアも海に囲まれた地域柄、海辺に面したところでは新鮮な生の魚を使ったカルパッチョをいただくことができます。そのカルパッチョと相性が良いお酒「Prosecco (プロセッコ)」。 ヴェネト州とそのお隣フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の限られた地域で作られる白ワインの発泡酒。イタリアでは発泡酒(スパークリングワイン)を「スプマンテ」と呼びます。 プロセッコは、ヴェネト州でグレラ種というブドウを主に使用したスパークリングワインです。もともとは、プロセッコという品種を使ったスパークリングワインだったのですが、ブドウ品種名がプロセッコから「glera」(グレラ)に変わっています。 プロセッコは、フルーティーな香りと甘く軽い飲み口が特徴的で、ヴェネツィアの新鮮は魚介ともよく合うスパークリングワインです。 余談ですが、世界的にもスパークリングワインといえばスランスの「シャンパン」でしたが、プロセッコは今では世界中に流通するようになり2014年には、シャンパンの世界的販売量を上回る人気となっています。

2
レシピ
アサリのスパゲッティ
Spaghetti alle vongole

Primo piatto (パスタ料理)

アサリのスパゲッティは、イタリアで「Sughi tradizionali di pasta」(伝統的なパスタソース)と呼ばれる人気のメニューの一つで。ナポリをはじめとるす海沿いの町ではよく食べられています。アサリに火を通す時に、白ワインではなく、プロセッコを加えるのがヴェネツィア風。 厨房に漂うアサリの香りが美味しく想像できます。アサリのパスタには、2種類のネーミングがあり、トマトが入れば「Vongole rosso」、トマトが入らなければ「Vongole bianco」と赤か白に呼び名が区別されます。 またヴェネツィアの干潟(ラグーナ)で獲れるアサリは一般的なアサリよりも小ぶりで、ヴェネツィアの方言で「Caparossoli」や「Caparozzoi」と呼ばれます。ヴェネツィアのアサリ漁師は「Caparozzolante」と呼ばれ、漁獲を許可されていますが、漁獲量が制限されており、多く漁獲すぎると違法とされ厳しく罰せられます。その他に「Vongole veraci」(本当のヴォンゴレ)と呼ばれるアサリもあり、海で獲れた純正品。一般的なアサリよりも高価で春から夏(8月)にかけて流通されます。ヴェネツィアではメニューを見ると、食材名が方言で記載されていることが多くあります。旅行者にはわかりにくい表記なのですが、是非、美味しいアサリ料理に出会いたいものです!

3
チーズとセロリとブレザオラの包み・バルサミコ酢がけ
Polpettine di formaggio morbide, Bresaola e sedano con gocce di balsamico

Antipasto (前菜料理)

イタリア半島のちょうど付け根に位置するエミリア・ロマーニャ州。 アルプスの雪解け水が潤すポー川流域の肥沃のパダーノ平原。東西にわたる広大な大地では平地を利用して牛や豚を育てる畜産農家も多く、それに伴う畜肉加工品も多い。 放牧された牛からはパルミジャーノ レッジャーノ・チーズ。豚のもも肉を加工したパルマ産の生ハム、モデナやレッジョエミリアでつくられるバルサミコ酢。 そして今回紹介する「ボローニャ」はエミリア・ロマーニャ州の州都。「美食の街」としても有名。別名を「肥満の街」(Bologna la grassa)とも言われているが美味しいものがたくさんいただける街だからこその愛称。 前菜で使われている生ハム「Bresaola」(ブレザオラ)は、お隣の州ロンバルディアの牛の骨なしもも肉を使った特産品の生ハムで、一般的な生ハムは豚肉を使ったものなので、牛肉の生ハムは珍しいひと品。クリームチーズを包んだブレサオラに、Aceto Balsamico「バルサミコ」(芳香のある)酢をアクセントに。 バルサミコ酢は大きく分けて2種類あり、「tradizionale」(トラディツィオナーレ)がつく“伝統的な”バルサミコ酢は、原料のぶどうの品種や製法等、欧州連合が規定する厳しい食の保護制度「DOP」(原産地名保護制度)に定められた製品。これらの指定を受けているのが、モデナ産の伝統的なバルサミコ酢とレッジョエミリア産の伝統的なバルサミコ酢です。 これらは高価な一滴とされているバルサミコ酢ので、イタリア人が日常的に使用しているバルサミコは、IGP(保護指定地域制度)に指定されているモデナ産のバルサミコ酢。サラダにそのままかけても、煮詰めてとろみをきかせて料理のアクセントに。フルーツやアイスクリームにかけたりと様々な料理に使えるブドウでつくられているお酢です。

4
レシピ
ボルペッタオリジナル・トルテッリーニとラグーソース
“BOLPETTINI” al ragu’ 〜Tortellini sferici alla nostra maniera con ragu’ classico bolognese〜

Primo piatto (パスタ料理)

ボローニャは内陸に位置し、肉料理が中心で、日本でもおなじみのミートソース「Ragu’ alla Bolognese」発祥の街。お店オリジナルの丸いトルテッリーニにミートソースをたっぷりからませたボリューム満点のパスタメニュー。 ボローニャには、ミートソースの作り方がいろいろ存在していています。 そこでイタリア料理アカデミーのボローニャ支部より、ボローニャ商工会議所に1982年正式なレシピが出願されました。牛肉、パンチェッタ(豚ばら肉)、タマネギ、ニンジン、セロリ、トマトペースト、肉のブロード、オリーブオイル又はバター、赤ワインで作ることとされていて、牛乳、または生クリームも加えてよいことになっています。 本場ボローニャのミートソースは、私たちが想像する真っ赤ミートソースではなく、 ボローニャの赤レンガの町並みを連想させる、赤茶色の濃厚なミートソースに仕上げるのがポイントです。そこへ特産品のパルミジャーノ レッジャーノ・チーズをたっぷりかけていただくのがボローニャ風。土地のものと合わせていただく幸せな一品です。

5
カタクチイワシとオイルの香草漬け
Alici marinate crude alle erbe aromatice

Antipasto (前菜料理)

20州の中で一番西に位置するピエモンテ州。海がなく、山の幸が豊富な山岳地帯でお魚のお料理?と誰もが思われるのかもしれません。そして、ピエモンテの郷土料理にある「バーニャカウダ」もアンチョビをたっぷり使ったソースが特徴。そこには、歴史を遡るお話があります。 17世紀、海を持たない領土を持つサヴォイア公爵は、塩の入手に戸惑っていました。 当時は魚の取引より塩の取引の方が高く、隣国の海に面したリグーリアに魚の取引を申し出ます。当時は、魚を腐らせないようにたっぷりの塩に漬けられた魚が国境を越えサヴォイア家の領土へ。しかし、商人は魚が目的ではなく「塩」が入手の目的。荷を軽くするために魚は取り除かれ、塩漬けされた魚は貧しい農民へ渡され、郷土料理に変わっていったと言われています。 その典型的な料理が「バーニャカウダ」。海のないピエモンテでアンチョビ料理が根付いているのはこのような理由がありました。 また、オリーブオイルもピエモンテでは栽培されていませんが、リグーリアはオリーブオイルの産地。昔からリグーリアと物々交換してきた歴史から、今日その影響が郷土料理にも色濃く残っています。

6
レシピ
バターとセージのアニョロッティ
Agnolotti burro e salvia

Primo piatto (パスタ料理)

アニョロッティは、一般的な呼び名でラビオリのこと。大きさは様々で、具材を詰めた詰め物パスタのことを言います。 アニョロッティは、その昔、あらゆる種類の肉料理の残り物を再利用してつくられた詰め物パスタと言われています。肉と野菜のごった煮をペースト状にして手打ちパスタに詰めてラビオリカッターでお好みの大きさに切る。そして、たっぷりのバターにセージの香りをうつしたソースでいただくのが定番メニューです。 しかし、ピエモンテには「アニョロッティ・ダル・プリン」というメニューもあります。 具材を詰めたら生地をつまんで閉じることから、一般的なアニョロッティと違ったかたちをしています。 そして、アニョロッティは昔から「月曜日の料理」として親しまれてきました。日曜日の残り肉や野菜を無駄なく再利用した料理でしたが、今ではクリスマスの大事な食事には欠かせないピエモンテの代表的なクリスマスメニューになっています。

7
鶏肉のグリル・サラダとライム添え
Petto di pollo grigliato con insalata e lime

Secondo piatto (メイン料理)

鮮度が良いからこそシンプルに調理して頂く、一番美味しい食べ方。 日本人にはもも肉の方が人気ですが、イタリア人は脂肪分の少ない胸肉を良く食べます。 すでに薄切りされた胸肉が売っているくらい、人気の部位です。 オリーブオイルでグリルしたり、ハーブで香りをつけたり、トマト煮込みにしたりといろいろなメニューでいただきます。ピエモンテの代表的な食べ方は、丸々1羽を香味野菜と一緒に煮込んでボッリートという料理。いろいろな肉を一緒に茹でる「Bollito misto」(ボッリート・ミスト)という料理もあります。日本で言うとおでんのようなお料理。シンプルに茹でただけに鶏肉にサルサ・ヴェルデ(グリーンソース)または、「Bagnèt verd」(バニェット・ヴェルデ)を添えて頂きます。そのソースに欠かせないのもアンチョビの塩味と旨みです。 また、ピエモンテのモロッツォという町では「Cappone」(去勢鷄)が飼育されており、希少な伝統食材の一つに指定されています。 去勢された雄鶏は、肉が白く柔らかく、短期間で大きく育つことから、クリスマス料理には欠かせない食材の一つです。

9月のMENU

1
レシピ
エビとホタテ貝とキノコのスパゲッティ
Spaghetti con gamberi, carpaccio di capesante e funghi

Primo piatto (パスタ)

イタリアの中央に位置するトスカーナ州にあるフィレンツェ。フィレンツェ自体は内陸に位置しますが、トスカーナ州の地形的は、西側にティレニア海、東北部にアペニン山脈。平野が少なく州の70%近くが丘陵地帯、20%以上が山岳地帯に占められていて、その地形を活かし、オリーブやブドウの栽培やトスカーナ料理に欠かせない野菜の生産も多く、山の幸、海の幸が楽しめる特徴を持っています。 海の幸は、赤エビ(Gamberi rossi)やホタテ、山の幸は、日本でもおなじみのエリンギ。 イタリア語では「Cardoncelli」(カルドンチェリ)と言い、南イタリア・プーリア州の特産品で、山岳地帯に自生するキノコ。日本のエリンギと違うところは、キノコに土の付着がひどく、きれいに払い落とすのがひと苦労。キノコは水で洗ってはダメ!の日本と違い、シェフのファビオさんがブラシをつかって洗い流しているところが気になりましたが、そんなお国柄の理由がありました。また最近では健康意識が高いせいか、手軽に使えるゴマを使用するメニューが多く見られます。特に黒ゴマは、白ゴマよりビタミン、ミネラルに優れているということでメニューに取り入れられることが多く、イタリア語で黒ゴマは「semi di sesamo nero」。イタリアのゴマの歴史は、アラブに支配されていたシチリア島からイタリア全土に広まり、今では一般的な食材となっていますが、その昔は、お料理に使うと言うよりは、シリチアや南イタリアのパンやお菓子の“トッピング”としてゴマは使われていました。

2
ハタのロースト・ロマネスコのクリームとアサリ添え
Trancio di dotto arrosto in padella con crema di broccolo romanesco e vongol

Secondo piatto (メイン料理)

Broccolo romanesco(ブロッコロ・ロマネスコ)は、ローマのブロッコリーと言われるローマ発祥の野菜で、古代からローマ近辺で栽培されてきて野菜と言われています。ブロッコロ(ブロッコリー)と呼ばれるのでブロッコリーかと思いきや、カリフラワーの一種。幾何学的に幾重に渦を巻く円錐形の花蕾は、柔らかく、クセがないので、サラダからフリットと調理用途は幅広く、今回のお料理のようにペースト状に仕上げてソースやスープ、彩りを添えるトッピングにも使われます。そしてメイン料理のハタは地中海東部では一般的な魚。トスカーナ料理に多用されるハーブ・ローズマリーの香りで焼き上げる肉厚で白身がぷりっとしたハタ。ソストなロマネスコのペーストに歯ごたえのあるケイパーのクランブル。魚介料理によく合うケイパーの風味でお料理のアクセントになっています。また大豆レシチンを使った「La schiuma」(ラ・スキューマ)、スペインの料理界から全世界に泡を食べる時代を築いた新技術。液体に大豆レシチンを入れて攪拌することによってしっかりとした泡ソースが作れます。トスカーナの伝統的な料理を尊重しつつも新しい技術も取り入れながら、13世紀の華やかだったメディチ家の宮殿で頂くお料理もまた格別な時間となるでしょう。

3
マグロのタルタルと手長海老の揚げポレンタ添え
Tartare di tonno e scampi crudi con polenta fritta

Antipasto (前菜料理)

地中海に浮ぶイタリア最大の島、シチリア島沿岸はマグロ漁が盛んで、イタリアでは「il maiale del mare」(海の豚)と書いて、「マグロ」を意味する言葉なのですが、豚と同様に捨てる部位がないくらい、マグロも全ての部位を食することから、そのような言葉になっていると言われています。イタリア全土で見るとあまりイタリア人は生魚を食べませんが、生でいただけるのは、やはり鮮度が良い海沿い町特権です。 またヴェネツイアは、生肉を食べるメニュー「カルパッチョ ディ マンツォ」の生まれた町でもあるので、生で食べることには柔軟です。 地中海で獲れたマグロのタルタルに健康志向ブームで注目されている「醤油」を使い、生魚の臭みを取るために使われる数種類のハーブ、そして細ネギの「Erba Cipollina」(チャイブ)を加えるところは、イタリア的な料理法です。アドリア海やティレニア海で獲れる手長エビ、そして「ビアンカ・ペルラ(白い真珠)」と呼ばれる、ヴェネト州名物の白いポレンタ。通常は黄色いポレンタをイメージしますが、1950年代ごろまでヴェネト州平野部で栽培されていた品種です。実が小さく収穫効率が悪いことから余り栽培されていない品種ですが、ヴェネト州のポレンタと言えば「白いポレンタ」。そしてポレンタの調理法も北イタリアは固めに、中部ではクリーム状仕上げるという特徴があり、固めに仕上げると焼いたり、揚げたりと料理のアクセントにも使えます。

4
旬の海鮮の盛り合わせ
Antipasto misto di mare di stagione

Antipasto (前菜料理)

「旬の海鮮盛り合わせ」の域を超えた「旬のヴェネツィア盛り合わせ」を思わせるひと皿。 このお皿1枚にヴェネツィアを代表する魚介が贅沢に味わえます。 日本でも寿司ネタに欠かせない「シャコ」ヴェネツィアの方言で「カノッキア」。地域ごとに呼び名が変わりますが、アドリア海の河口や運河に生息しているヴェネツィア料理には欠かせない食材です。クモガニは、ヴェネツィアの方言で「グランセオラ」と呼ばれ、「granso」はカニ、「seola」はタマネギ。クモガニの見た目からそう呼ばれたのか。この方言が合わさり「granseola」(グランセオラ)と呼ばれています。アシが早いので鮮度が重要な「グランセオラ」。ヴェネツィアに来たら是非、食べたいほぐし身のサラダです。ヴェネツィアで「バッカラ」と言えば「干しダラ」のことを言います。しかしイタリア全土で「バッカラ」と言えば「塩ダラ」のこと。干しダラは「ストッカフィッソ」というので、ヴェネツィアでは間違えないように気をつけたい食材です。干しダラを水に浸けて戻して、牛乳で煮込んで柔らかくなったら、オリーブオイルで撹拌させペースト状にした郷土料理。お約束の相棒は、焼いたポレンタを添えていただくのがヴェネツィアスタイルです。

5
レシピ
イカ墨のリゾット
Risotto al nero di seppia

Primo piatto (パスタ料理)

ヴェネツィアに来たら一度は食べたい「イカ墨のリゾット」。ヴェネト州にあるヴェローナは稲作栽培も盛んなエリア。「ヴィアローネ・ナーノ」という小粒の品種が栽培されていて、お米を使ったメニューも代表的な郷土料理です。 イタリアでリゾットを作る時の美味しく作る約束ごとがあります。 ① トスターラ(tostatura) 調理工程の最初のポイントは、お米を炒めること。炒めることによって仕上がりの歯ごたえが変わると言われています。 ② マンテカトゥーラ(mantecatura) お米全体をふんわりとひとまとまりになるように、空気を含ませながら混ぜ合わせ、同時にツヤと旨味が生まれる状態に仕上げ作業となります。 そして、リゾットの仕上がりの理想は、“米は「al dente」(アルデンテ)で、全体は「all’onda」(アッロンダ)。そして、お好みで「ferma」(フェルマ)” お米は歯ごたえのある状態(アルデンテ)に仕上げ、全体はなめらかに波打つような(アッロンダ)ソフトな状態に。そして最後は、「アッロンダ」よりも水分が少なく、もったりした状態で火を止める(フェルマ)出来上がりが理想と言われています。 まさにシェフのイヴァンさんがその状態に仕上げているのがわかります。 また、イタリアではイカを呼ぶとき、コウイカを「セッピア」、ヤリイカを「カラマーロ」と呼びます。その違いは、墨イカの場合は「セッピア」と言います。ちなみに日本でおなじみのスルメイカは「totano」(トータノ)と呼びます。しかしヤリイカやスルメイカにも「墨」はありますので、イタリア全土に話を広げると、必ずしも「セッピア」と呼ばれていてもコウイカを使われているとは限らないそうです。そしてイカスミリゾットの仕上げにトッピングされていたタコは日本のイイダコに似ていますが、「モスカルディーニ」と呼ばれる、アドリア海で獲れる地中海固有の品種。見た目はイイダコそっくりですが、モスカルディーニの見分け方は吸盤。マダコは、吸盤が2列なのに対してモスカルディーニは1列で、イイダコも細い部分は吸盤が1列なのですが、太い部分は2列になっているので、見分けのポイントとなります。

6
タコとイカとエビのサラダ
Insalata di polpo, calamari e gamberi

Antipasto (前菜料理)

「美食の町」ボローニャで南イタリアのシチリア料理が頂けるお店。内陸にいながら新鮮な魚介料理が食べられるのも今日の流通の発展のおかげ。タコやイカは古代ローマ時代のモザイク画から読み取られるように、2000年前から古代ローマ人が食べていた食材です。 今日のイタリアでは、茹でたタコやイカを使ったサラダは、前菜メニューの定番的な存在で素材の味をそのままにシンプルな味付けで頂くのが南イタリア風。タコやイカの「白色」、インゲンの「緑色」、トマトの「赤」の組み合わせは、イタリアを象徴する「tre colori」(トゥレコローリ)で、イタリアンカラーで見た目にも彩りが良く、鮮度が決め手のひと皿です。

7
レシピ
イワシのパスタ・シチリア風
Pasta con le sarde alla siciliana

Primo piatto (パスタ料理)

ソースの具材にも見られるように、サフラン味にイワシ、レーズン、松の実、本来は野生のフェンネル(フィノッキオ)の葉を刻んで加えるのがオリジナルメニューですが、フェンネルシードを加えて風味を出したこのパスタメニューは、シチリア・パレルモの郷土料理。 シチリア島は、歴史的にギリシャ、アラブ、ノルマン、フランス、スペインといろいろな民族に支配されてきた歴史的背景があり、その影響が食文化にも残っています。アラブ人からは、パスタ、サフラン、フェンネル。レーズンを使った甘さ、仕上げにローストしたパン粉をかける調理法は、シチリアをはじめとする南イタリアでは一般的な調理法。そしてレーズンが使われる料理には必ずと言って良い程、松の実が相方として加わります。シンプルなパン粉にアンチョビを混ぜ合わせることで、塩と旨味を感じさせながら味わい深い、チーズのような存在です。ただイワシ、サフラン、フェンネルシード、レーズの甘さ、そして塩気。個性の強い者同士が複雑に混ざり合い、シチリアの複雑な歴史を物語るエキゾチックな味に仕上がっているお料理です。

8月のMENU

1
レシピ
海の幸のオレッキエッテ
Orecchiette ai frutti di mare

Primo piatto (パスタ)

ミラノがあるロンバルディア州は、イタリア20州の中で4番目に大きく、人口がイタリアで一番多い州です。イタリアの経済、ビジネス、ファッションの中心で、流行を先取りする気風にも強く、料理においても新しいものに敏感です。海に面していない州ですが、アルプスからの豊富な雪解け水は多くの湖を作り、ポー川流域を潤し、豊かな作物を作ってきました。魚はもっぱら淡水魚を食してきたミラネーゼ。その昔、新鮮な海水魚は上流階級の人たちの食べもので、庶民は口にすることができないものでした。そんな内陸に位置するミラノでも今日の流通の発展から、新鮮な海の幸を味わえるようになっています。「オレキエッテ」は、イタリアのかかと部分に位置するプーリア州の伝統的なパスタ。「小さい耳」を意味するパスタに、州のほとんどがアドリア海とイオニア海に囲まれているプーリア州は、魚介類も豊富でオレキエッテと魚介の組み合わせは、相性抜群の組み合わせ。プーリア州の特産品であるオリーブオイルをベースにシンプルな調理法で、魚介の旨味がしっかり味わえる、北イタリアにいながらティツィアーナさんの故郷、マルケ州を思い出させる海の幸たっぷりのパスタメニューです。

2
カタルーニャ風サラダ
Insalata catalana

Secondo piatto (メイン料理)

「カタルーニャ風サラダ」と聞いて、『なぜ?スペイン料理』と思われる方も多いかも知れません。イタリアの歴史を遡ると、南イタリアはスペインに支配されていた背景から、スペインを思わせるメニューが残っています。またサルデーニャ島には「リトル・バルセロナ」と言われているアルゲーロという町もあり、「アルゲーロ風」(all'algherese)とつく料理もまた「カタルーニャ風」を意味する料理です。また、もっと時代を遡るとスペインもローマ帝国の支配下だった歴史が物語る食文化が残っていて、パン、ニンニク、オリーブオイルを使う食文化は、古代ローマの名残だと言われています。また新大陸発見に伴ってヨーロッパに持ち込まれた食材がスペインを経由して南イタリアからイタリア全土に広がった背景もあります。その中でもトマトはイタリアの食文化を劇的に変えた味の重要な役割を果たした食材の一つ。そして一番馴染みのあるメニューの一つでシチリアのドルチェ「カタラーナ」は、カタルーニャ地方の伝統的なお菓子がシチリアの郷土菓子として今日に受け継がれています。今回紹介されている「カタルーニャ風サラダ」は、放送ではロベルトさんとティツィアーナさんはタマネギ抜きをオーダーしていましたが、トマトとタマネギは欠かせない食材で、その他の野菜は薄くスライスして混ぜ合わせ、オリーブオイルとレモンやビネガーと塩で味つけしたドレッシングで頂くのがベーシックなレシピです。そこへボイルしたエビを加えることでメイン料理的なボリュームのサラダになります。ボイルしたエビもまた、カタルーニャ地方には欠かせない食材です。

3
アブソリュート・エッグとパルメザンチーズ
L’uovo assoluto con parmigiano reggiano

Antipasto (前菜料理)

タマゴは、古代ローマ人も朝から晩まで食べていた栄養豊富な食べ物の一つ。 古代ローマの貴族たちが絢爛豪華に楽しんでいた晩餐会にもタマゴは登場し「ab ovo usque ad mala」(タマゴからリンゴまで)晩餐会がタマゴから始まりリンゴで締めくくられていたそうで、「最初から最後まで」を意味しています。タマゴは古代から栄養価の高い食べ物として今日に受け継がれていますが、今回の前菜メニューで登場の「アブソリュート・エッグ」は、イタリア語で「L’uovo assoluto」(完全なタマゴ)を意味する究極のタマゴ。トスカーナのパオロ・パリージが開発したタマゴで、パオロ氏はイタリアで「幻の豚」と言われていたチンタ・セネーゼ豚復活の立役者として知られる有名な生産者。そのパオロ氏が次に手がけたのがこのタマゴ。餌からこだわり、通常は餌の中に豆類を加えてたんぱく質を鶏に与えるところを山羊のミルクで同一の栄養を与え、栄養価が高く、黄身の色が濃くソフトで濃厚な味を持つ最高のタマゴをつくりだしました。イタリアでは生食できるタマゴは少ないのですが、このタマゴは生のままでも食べることができるそうです。一般的には流通せず、著名なシェフの間で使われている「完全なタマゴ」である故にタマゴとパルミジャーノ レッジャーノだけで頂くシンプルな目玉焼きは、食べた人にしかわからない美味しさのはず。高品質の食材を提供するお店PaStationにぴったりの料理です。

4
パステーション風カーチョ・エ・ペペ
Cacio e pepe alla PaStation

Primo piatto (パスタ料理)

「カーチョ・エ・ペペ」は、トスカーナ州のお隣ローマがあるラツィオ州の伝統的なパスタ料理。カーチョは「チーズ」、ペペは「コショウ」を意味します。イタリア語にはチーズを指す言葉で「Formaggio」という言葉がありますが、「Cacio」もチーズを意味する言葉。「カーチョ・エ・ペペ」の伝統的なレシピは、ローマを代表するイタリア最古のチーズ「ペコリーノ ロマーノ」と黒コショウだけを使ったシンプルなレシピ。PaStationでは、ペコリーノ ロマーノ・チーズとパルミジャーノ レッジャーノ・チーズ、さらにバターを加えてよりリッチで濃厚な味わいのあるレシピです。そのソース合わせるパスタは、ディ・チェコのカサレッチャというシチリア発祥の切り口がSの字でゆるいかカーブの溝があるパスタ。チーズの濃厚なソースも溝にからみ、より味わいの深いパスタ料理に。数多いイタリアのパスターメーカーでも昔ながらの伝統的な製法を今日に伝える、イタリアでも一目置かれる高級品パスタのディ・チェコ。美味しさに敏感でこだわりのある人たちに愛されているパスタです。「カーチョ・エ・ペペ」のようなシンプルなソースだからこそ、高品質のディ・チェコのパスタで頂くことで、その美味しさをしっかり味わうことのできる料理です。

5
レシピ
ソレント風ミニトマトとブッファラのペンネ
Penne alla sorrentina con pomodorini e mozzarella di bufala

Primo piatto (パスタ料理)

南イタリア・カンパーニャ州のアマルフィーやポジターノが位置するソレント半島をイメージしたパスタメニュー。ミニトマトは「Pomodorino Piennolo」というヴェスビオ火山の麓でつくられている皮の厚いミニトマトを房にして吊るし、長期保存を目的としているソース用のトマトがあります。トマトを吊るすことで糖度が増して旨味たっぷりのトマトにカンパーニャ州の特産品、水牛(Bufala)のモッツァレッラを合わせる食べ方は、ナポリの家庭料理。「Pomodorino Piennolo」はDOP(原産地名称保護)に認定されている食材なので、値段が高価な食材のため、ナポリのマンマは、ミニトマト、モッツァレッラチーズは、水牛ではなく、Fior di latte(牛乳製)のモッツァレッラを使って手軽に作ることもあります。このメニューもシンプルながら、素材の美味しさが重視されるところ。トスカーナの完熟したミニトマトに水牛のモッツァレッラを加え、そのソースに合わせるパスタは、ディ・チェコのペンネ・リッシェ。パスタの切り口がペン先に似ていることからその名前がついています。「シッシェ」は表面がなめらかなタイプを言います。ペンネはカンパーニャ州をはじめ南イタリアでよく食されているパスタでもあり、伝統的なソースにぴったりの組み合わせ。ディ・チェコの伝統的な製法によりパスタの表面のざらつきにトマトの旨味とモッツァレッラがとけたクリーミーなソースがよく絡み合い、味わい深い美味しさが楽しめます。

6
茹でたアスパラガスとタマゴのパン包み揚げ
Asparagi con ravioli di pancarrè fritti in tuorlo d’uovo

Antipasto (前菜料理)

アスパラガスは、古代ローマ時代から食べられてきた歴史ある野菜で、春の訪れを告げる季節野菜です。ピエモンテ州のトリノ県にあるサンテナは、グリーンアスパラガスの産地で4月から6月の間が収穫の時期、サンテナでは5月にアスパラガス祭りが開催されています。 サンテナのアスパラガスの特徴は、しっかりとした太めの茎に根本が白く、ボディはグリーン、穂先につれて紫がかった独特ある色合いで、食べ応えのあるジューシーなアスパラガスです。ピエモンテでは卵黄でつくる酸味の効いた「ザバイオーネ」ソースで頂くのが伝統的な食べ方ですが、お隣のロンバルディア州では、パルミジャーノ レッジャーノ・チーズをかけた目玉焼きをのせて食べる食べ方など、卵黄をソースとして頂くのが一般的です。旬のアスパラガスの美味しさを味わうには、シンプルな食べ方が一番。今回のメニューでは、リストランテらしい創作志向も取り入れてあり、卵黄をパンで包んで揚げたものが添えられていて、揚げパンの香ばしさと、とろりとした卵黄ソース、スモークしたイクラの塩気が茹でたてのアスパラガスによくからんで、その美味しさをヴィンチェンツォさんも絶賛していました。シンプルな料理だからこそ素材の美味しさが一番の料理です。

7
レシピ
ピエモンテ風仔牛のラビオリ
Agnolotti del plin

Primo piatto (パスタ料理)

独特のかたちをしたラビオリは、ピエモンテ州のランゲやモンフェッラート地方に伝わる伝統的なパスタメニュー「Agnolotti del plin」。今日ではピエモンテを代表する郷土料理一つです。「Agnolotti」は、ピエモンテの方言で詰め物パスタをさします。通常は正方形のかたちをした詰め物パスタですが、シェフのマウリツィオさんが生地の両端をつまんでいたように「plin」は、ピエモンテの方言で「つまむ」を意味します。つまんだ両端を切リ離すと「Agnolotti dal plin」の出来上がり。ピエモンテの手打ちパスタらしく、タマゴだけでつくる生地の独特の食感と詰め物の旨味が味わえる詰め物パスタです。その昔「Agnolotti」は、月曜日に作る料理でした。なぜならば、日曜日の残り肉や野菜を使ったリサイクル料理から生まれたメニューだったそうです。ソースは肉の旨味の効いた濃厚なブロードに、ハーブのサルビア(セージ)やローズマリーの香りをつけることで、濃厚なソースに独特の香りが加わり、ソースにより深みを与えます。また今日「Agnolotti del plin」は、ピエモンテ州のクリスマス料理には欠かせないパスタメニューとなっています。

7月のMENU

1
レシピ
グリーンピース入りのラビオリ
Petit Pois

Primo piatto (パスタ)

アルプス連峰を境にスイス、フランスの国境に接するイタリア20州の中で一番西に位置するピエモンテ。ラテン語でペデ・モンティス=Pede Montis(山の麓)から名付けられたと言われています。土地柄、山の幸が豊かで冒頭でも紹介があった秋の味覚の王様アルバの白トリュフやポルチーニは州を代表する特産品。また酪農も盛んで料理のベースはバターやラードをなどの動物性油脂を使ったレシピが代表的で、隣国フランスの影響も顕著にみられます。そしてこのメニューの名前も「Petis Pois」(プティ・ボワ)フランス語で「グリーンピース」。グリーンピースのペーストが詰められたサルデーニャのお菓子Casadinasを思い出させる繊細なかたちをしたラビオリ。ピエモンテでは5月にグリーンピースのお祭りが開催されほど初夏を楽しむ食材のひとつです。ピエモンテの伝統的な料理が若手シェフの腕にかかれば、魔法がかかったような革新的な料理に変化する、ピエモンテの自然や大地を表現する色鮮やかな初夏を感じる一品です。

2
トーキョー・グァレーネ
Tokyo・Garene

Secondo piatto (メイン料理)

レストランがあるグァレーネと東京が融合してできたシェフの創作料理。 今ではイタリア国内でも日本の食材(調味料)を料理に取り入れるシェフが多いですが、 日本の食材を上手くイタリア料理に活かすのは若手シェフの腕の見せ所。 ゴマ油に炒りゴマ、ポン酢や味噌、ゴボウ、ゆず、ワカメ。 そして、この地域で多く飼育されている肉質が柔らかく、脂肪が少ないピエモンテのブランド牛ファッソーネのタリアータ。ファッソーネに異国のエッセンスを加え、ピエモンテの地で革新的なひと皿に大変身させつつも、ピエモンテの「伝統」を守り貫く、シェフの想いが伝わるお料理です。

3
レシピ
黒トリュフのタリオリーニ
Tagliolini al tartufo nero

Primo piatto (パスタ料理)

イタリアにはイタリア料理店しかないと言われるくらい、異国のレストランは存在せず、地方色や得意料理のジャンルをメインとしたイタリア料理店が軒を連ねます。 ミラノに居ながらピエモンテ料理が楽しめるのもその一つ。オーナー出身の地方色を特徴としているお店の名前は「La Rava e la Fava」(カブとそら豆) タリオリーニは、タマゴと小麦粉で練った生地を細切りにしたロングパスタ。 黄色味が強いのはタマゴ100%で練り上げるから。ピエモンテではTajarin(タヤリン)と言われている伝統的パスタです。 ピエモンテは、白トリュフの産地としてとても有名ですが、黒トリュフもイタリア三大産地の一つ。トリュフオイルに黒トリュフを合わせたシンプルな料理ですが・・・マウロさんも連呼していた「Buon profumo!」“いい香り”漂うとても贅沢なパスタ料理です。

4
ファッソーナ牛のタルタル
Carne cruda battuta al coltello

Secondo piatto (メイン料理)

イタリア人は生肉、生魚をあまり食べない国民ですが、ピエモンテの伝統料理にCarne Cruda(カルネ・クルーダ)という「生肉」料理があり、ピエモンテのアルバ一帯では、カルパッチョが登場する前から生肉料理を食していたと言われています。 ミンサーで挽くと肉が加熱されてしまうので、必ず包丁で刻んで熱が加わらないようにすることがこのお料理のポイント。生肉をひたすら包丁で叩き続けるのが、カルネ・クルーダ・バットゥータ。バットゥータとは「叩いた」という意味ですが、ピエモンテのブランド牛ファッソーネで作られるこのタルタルは、肉質が柔らかく脂肪分が少ない肉だからこそできる料理。レモンの爽やかさと酸味、ケイパーの風味が牛肉とよく合うピエモンテの伝統的な一皿です。

5
レシピ
根菜のカポナーティ・スモークしたカリフラワーのクリーム
Caponata vegetale di radice con crema di cavolfiore affumicati

Antipasto (前菜料理)

フェレンツェで人気のお店らしく、見た目にもオシャレに盛りつけられた前菜料理。 タイムで香りづけられたバターで揚げた根菜のカポナータ。通常のカポナータはナスやパプリカなどを煮込んで作るシチリアの伝統料理ですが、Gurdulùでは根菜で作るカポナータ。トスカーナ特産のカリフラワーのピューレをスモークし、アーモンド風味をつけたクランブルに大根やラディッシュのスライスなど食感の違う食材が重な合った食感豊かな一皿です。

6
ヒラメとヒラタケ・ジャガイモのピューレ
Sogliola e cardoncelli alla mugnaia con purè di patate

Secondo piatto (メイン料理)

海と大地の恵みが凝縮されたボリュミーなメイン料理。トスカーナ料理の特徴でもあるオリーブオイルでシンプルにソテーされたヒラメにヒラタケのソテー。ヒラタケは日本でもおなじみのエリンギ。イタリア語でCardoncelli(カルドンチェッリ)と言われている南イタリアを代表するキノコです。秋はポルチーニ、春はカルドンチェッリとキノコを楽しむのは秋だけでなく、春にも楽しめるイタリア。シンプルに焼いたヒラメ、魚介のブロード(Fumetto di pesce)を加えてソテーした肉厚のカルドンチェッリ、バジリコ風味のジャガイモのピューレと3つの素材が味わい深く盛りつけられた料理です。

6月のMENU

1
ホタテとチコリ・赤ビーツソース
Capesante e cicoria con salsa alle barbabietole.

Antipasto (前菜)

イタリア語でCapesante(カペサンテ)と言われるホタテは、イタリアでも人気の食材。フィレンツェで魚介を食べることはタブーとなっていたのはひと昔前の話。 なぜならば、今日のように流通が整備されていない時代、内陸に位置するフィレンツェでは、新鮮な魚は食べられませんでした。しかし、海に面しているトスカーナ地方、 時代の進歩により新鮮な魚介がフィレンツェにも届くようになり、今日では魚介の専門店があるくらい、魚介料理が美味しく頂けるようになってきています。 ふっくらジューシーに焼き上げたホタテに添えられているCicoria(チコリ)は、タンポポの葉に似たほろ苦い野菜で、古代ローマ時代から食べられてきた野菜とも言われるくらい歴史は古く、秋から春にかけていただける季節野菜です。 そんなほろ苦いチコリとジューシーなホタテの旨味がマッチした料理に使われている色鮮やかな赤色ソースは、トスカーナ州・マレンマ地方の特産品のビーツを使っています。

2
レシピ
アーティチョークとサルサ・カチュッコのニョッキ
“Gnocchi croccanti”con carciofi e salsa di cacciucco.

Primo piatto (パスタ料理)

オリーブオイルで焼いた“Gnocchi croccanti”カリカリニョッキに合わせる具材は、イタリア語で“Carciofo”(カルチョフォ)と言われるアーティチョーク。 アーティチョークは、古代ローマ時代から食されてきた歴史の古い野菜で、2月から5月頃まで楽しめる季節野菜です。トスカーナ地方はアーティチョークの産地で多くの品種を栽培していますが、トスカーナ種の特徴は、ローマ種とは対照的にチューリップの花のつぼみのように細長い“Spinoso”(スピノーゾ)と呼ばれるかたちをしていて、特にトスカーナ種はガクの部分が紫色で“Carciofo violetto Toscana spinoso”と呼ばれる品種で、トスカーナ地方の港町リヴォルノが産地です。アーティチョークは、中世フィレンツェで名を馳せていたメディチ家のカトリーヌ妃がフランスに嫁いだ際に持ち込んだ野菜とも言われ、メディチ家のオリジナルレシピが存在するくらい、当時、フィレンツェの商人から貴族の間で親しまれていた野菜です。そしてこの料理の仕上げのソースは、アーティチョークの産地同様、リヴォルノの伝統料理“Caciucco”(カチュッコ)風ソース。通常はリグーリア海でとれた新鮮な魚介を使ったトマトの魚介スープですが、今回の料理では、濃厚な魚介のダシとトマトの旨味たっぷりでいただく焼きニョッキのソースに。トスカーナ地方の食材を使った、まさに地産地消のひと皿です。

3
レシピ
ズッキーニの花とエビ・黒トリュフのスパゲッティ
Spaghetti con fiori di zucchini, gamberi e tartufo nero.

Primo piatto (パスタ料理)

ズッキーニの花とエビの組み合わせは、初夏を思わせるベストな組み合わせ。 花ズッキーニが市場に並ぶ時期になると、イタリアのレストランメニューにパスタ料理からリゾット料理などなどお目見えする、季節を感じる食材です。 今回の料理は、旬の食材にミニトマト、ズッキーニ、バジリコがプラスされ、何とも食欲がそそられる具沢山パスタに、トスカーナ州の特産品、黒トリュフを加えて、磯の香りと山の香りが贅沢に楽しめるパスタ料理です。 トスカーナ州は、イタリア三大(ピエモンテ、マルケ)トリュフの産地でも有名。 シーズン的に冬トリュフ、夏トリュフと収穫が出来るので、トスカーナ地方では、長いシーズン山の幸を贅沢に楽しむことができます。

4
牛肉のフィレット・グリーンペッパーソース、ジャガイモと季節の野菜添え
Filetto di manzo alla salsa di pepe verde con patate e verdure di stagione.

Secondo piatto (メイン料理)

トスカーナ州の内陸に位置するフィレンツェでは、伝統料理として肉を使った料理が あげられます。中でも「ビステッカ・フィオレンティーナ」は有名な伝統料理ですが、今回は牛フィレ肉と生クリームを使った料理。イタリア人は、日本人と違って脂身のない赤身肉を好んで食べます。今回はグリーンペッパーをふんだんに使い、クリームソースで仕上げた濃厚なトスカーナ地方の古典的な料理です。 トスカーナ地方の料理は、地元でとれる食材をシンプルな調理法で仕上げるという特徴を持ちます。使われる調味料は、塩、コショウとオリーブオイルというシンプルな組み合わせが基本で、その昔、牛肉の臭みをとるために大量のコショウを使用したと言われています。脂身がなく、あっさりとした牛フィレ肉だからこそ、トスカーナ地方独特な調理法で生クリームを使った濃厚な料理に仕上げられていても、グリーンペッパーのスパイシーさがアクセントとなり、添えられたジャガイモや季節野菜で味のバランスがしっかりとれた料理になっています。

5
レシピ
ジャガイモとショウガのトルテッローニ
Tortelloni di patate e zenzero.

Primo piatto (パスタ料理)

「トルテッローニ」と「トルテッリーニ」は、対照的な大きさを言い表しています。 通常サイズが「トルテッロ」、小さいサイズが「トルテッリーニ」、大きいサイズが 「トルテッローニ」と大きさごとに呼び名が変わります。 似たような名称でも聞き間違えるとサイズ感が変わってきてしまう、イタリア語の面白いところです。さて、「トルテッリーニ」には、「ヴィーナスの「おへそ」に例えられる伝説が残っています。あまりにも美しいヴィーナスの「おへそ」に感動してつくったと言われているこのパスタ。通常は肉やチーズの詰め物をしますが、ベジタリアンレストランらしく、ジャガイモ、ショウガ、ターメリックの詰め物です。 イタリアではショウガのことを“Zenzero”(ゼンゼロ)と言います、古代ローマ人はインドから輸入して食していたと言われています。ローマ帝国崩壊後はアラブ人が貿易を独占したり、中世ではデザートとしてショウガの砂糖漬けをヨーロッパから輸入したり、13、14世紀には黒コショウ同様に最も取引されていたスパイスだと言われています。そしてソースにはトルテッローニにからみやすい2種類のペースト。 ルーコラとアーモンドの緑、トマトとカリフラワーの赤、パスタの色が加わると緑・白・赤のイタリアンカラー。見た目にもオシャレなひと皿に仕上がっています。

6
ホウレン草とトマトとタマゴのパーネ・フラッタウ
Pane frattau con spinaci e pomodorini su uovo.

Secondo piatto (メイン料理)

「パーネ・フラッタウ」のもととなる「パーネ・カラザウ」は、サルデーニャ島の中央部発祥の伝統的なパンで、羊飼いが放牧のために山に入る際の保存食として作られたと言われています。硬質小麦を挽いたセモリナ粉に水、酵母、塩を加えて生地を作り、薄くのばした生地を焼いて、生地が膨らんだら二枚にはがし、再び焼き上げ、保存に適した状態にするので食感も硬く、水やワインに浸して食べたり、ラザニエのように具材を重ねて焼いたり、いろいろなレシピで楽しめます。別名「Carta di musica」(楽譜)とも言われ、パンの薄さを意味しています。 そして今回紹介のあった“Pane frattau”は、パーネ・カラザウを水で濡らして柔らかくし、トマトや特産の羊のチーズ(ペコリーノ・チーズ)を包んで、仕上げに半熟トマトをのせてオーブンで焼くというシンプルな伝統料理。基本のレシピは、トマトと チーズと半熟トマトは欠かせません。そこへホウレン草の緑色が入ることで色鮮やかに。 シンプルな料理ですが、パンの生地がデュラムセモリナ粉なので、腹持ちも十分。 山にこもった羊飼いたちの胃袋を満たしていただろう、素朴なベジタリアン料理です。

5月のMENU

1
レシピ
ロマネスコのスパゲトーニ・アンチョビソースとパン粉
Spaghettoni ai broccoli romani con colatura di alici e pane grattugiato.

Primo piatto(パスタ)

Broccolo romanesco(ブロッコロ・ロマネスコ)は、ローマのブロッコリーと言われるローマ発祥の野菜。ブロッコロ(ブロッコリー)と呼ばれるのでブロッコリーかと思いきや、カリフラワーの一種。冬から春先にかけてローマの市場で見かける冬野菜。幾何学的に幾重に渦を巻く円錐形の花蕾は、柔らかく、クセがないので食べやすい野菜です。南イタリアでは、ブロッコリーやカリフラワーをアンチョビと合わせる事が多く、今回のメニューでもアンチョビソースに隠し味にColatura di alici(コラトゥーラ・ディ・アリーチ)を使って旨味を凝縮したひと皿です。 コラトゥーラ・ディ・アリーチとは、古代ローマ時代に使われていた調味料・魚醤(ガルム)に由来します。ローマ帝国の衰退とともに消えてしまった調味料ですが、今日、旨味が凝縮されたコラトゥーラ・ディ・アリーチとして復活。全世界的に広がりつつある「UMAMI」(旨味)が仕上げに足されることで、ソースにコクと旨味が倍増します。またパン粉をかける料理は、イタリア全土でよく見られますが、食べ残ったパンを再利用するイタリア人の食べ物を大切にする精神から生まれた食べ方のひとつです。

2
ヴェネツィア風仔牛のレバー・オニオンとポレンタ
Fegato alla Veneta con cipolla caramellata, salvia, polenta rosticciata.

Secondo piatto (メイン料理)

レバーとポレンタの組み合わせは、ヴェネト地方の伝統的な組み合わせ。レバーの臭みをとるために肉との相性の良いハーブ・セージ(サルビア)やシチリア伝統の酒精強化ワイン、マルサラ酒を加えてタマネギの甘さと相性のよいソースに仕上げてあります。ローマでも内蔵料理は郷土料理のひとつ。ローマ市内には古代ローマ時代から1960年代まで続いていた屠殺場があり、上質な部位は貴族が食べて、残りの部位は庶民が食べていた食文化があり、臓物を食べる習慣は今日でもローマの郷土料理となっています。またポレンタは、北イタリアでよく食べられるトウモロコシの粉をお湯で練ったもの。最近ではグルテンフリーの食べ物として乾燥パスタの原料の一つとなることもあり、以前は小麦がとれない地域で食べられていたポレンタですが、今日では全土で食べられるようになっています。練った出来立てを頂くのも美味しいですが、一度冷やし固めて、 焼きポレンタもトウモロコシの風味が増して、レバーのソースと相性よく頂けます。

3
レシピ
インゲン豆とトリュフ風味のラビオリ・アペルティ
Ravioli aperti con fagioli dell'occhio e aroma di tartufo.

Primo piatto(パスタ)

美食の国イタリアでも健康を考えて菜食はもちろん、動物性たんぱく質を摂らないヴィーガン料理などを提供するレストランも増えてきています。そしてローマ初のヴィーガン料理を提供するお店がこの「So What ?!?」。 北イタリアの山岳部は気候が寒く、土地がやせているので、小麦の栽培が困難なため、代わりにソバを栽培しており、北の郷土料理にソバ粉を使った手打ちパスタもあり、昔から食べられてきました。そして、そば粉を使った生パスタの名前は「ラヴィオリ・アペルティ」サルデーニャのお菓子「Formaggelle」を思い出す淵にひだの入った手打ちパスタ。 そしてFagioli dell’occhio(黒目豆)は、胚芽の周囲が黒く輪っかになっており、「目」のように見えることからそのような名前がついていますが、イタリアではたくさんの豆類が料理に使われています。 そして隠し味にトリュフオイルと「MISO」。ヘルシーな料理としてイタリアでも人気の日本食。今まではミソスープの「MISO」として認知されていましたが、最近では調味料として「MISO」が使われるようになり、可能性がある限りあらゆる料理に「味噌」が使われています。そして特に菜食やヴィーガンにお勧めの食材としての認知も高まってきており、健康や栄養バランスと美味しさを考えたシェフの思いが詰まったひと皿です。

4
豆腐とヒジキのフィッシュ&チップス風・タマネギとジャガイモのピューレ
Fish & Chips di TOFU e HIJIKI con cipolla e purè di patate

Secondo piatto(メイン料理)

豆腐とヒジキの団子を油で揚げて・・・と言うと日本人ならば「がんもどき」?と思うでしょう。グルテンフリーのトウモロコシの粉とそば粉の衣でフリットにされ、それがイタリア料理と融合されて、イタリア風ヴィーガン料理に。粉をビールで混ぜる事によってさっくりと軽いフリットに仕上がります。 そしてタマネギをたまり醤油でソテーしたベネツィア風のタマネギソースは「アグロドルチェ」と言われる甘酸っぱいソース。フリットにかけて味のアクセントと旨味を感じさせてくれる料理になっています。 今日のイタリアではTOFUを使ったレシピは数多く存在し、健康志向の人たちに支持されている食材のひとつです。

5
レシピ
カボチャのリゾット・ゴルゴンゾーラとキノコ
Risotto alla crema di zucca con gorgonzola e funghi chiodini

Primo piatto (パスタ料理)

イタリアのキノコ:Chiodini(キオディーニ)は、「小さな釘」を意味するキノコ。 日本名はナラタケ。見た目が釘のかたちに似ていることから由来します。 歯ごたえと香りがよいキオディーニは、秋にイタリア全土で収穫され、リゾットやパスタ料理はもちろん、あらゆるレシピで楽しめる食材です。 カボチャやチーズとの相性もよく、ゴルゴンゾーラの濃厚さに、パルミジャーノ レッジャーノチーズを加えて、コクと旨味がたっぷり詰まったひと皿です。

6
タラのソテー・ジャガイモのピューレとアーティチョーク
Baccalà con purè di patate al limone e carciofi croccanti

Secondo piatto(メイン料理)

イタリアで食べられているタラで塩漬けになっているものをBaccalàと呼ばれます。 調理する際は、水で戻して柔らかくし、塩気を抜いて調理します。 干しダラやアーティチョークを使った料理はユダヤ料理の名残でもあり、今日に残っているローマの郷土料理です。 鱗がついた魚は、皮目をしっかり焼いて香ばしく仕上げるのが美味しく仕上げるコツ。あまりいじらず、フタをして蒸す事により、塩漬けだったタラとは思えないくらい、身がふっくらと仕上がります。 ローマの市場にアーティチョークが並び始めると「もうすぐ春がやってくる」と季節の変わり目を感じさせてくれる季節野菜。市場で店番をしている年老いたおばあちゃんが慣れた手つきでアーティチョークの下処理をしてくれているのが大変助かるくらい、アーティチョークの下処理は面倒な作業です。 またアーティチョークはアクが強いので、刻んだらすぐに調理するか、レモン水につけると変色せずに調理できます。そしてアーティチョークは古代ローマ時代からローマ人に食べられてきた歴史のある食材の一つです。 バッカラのソテーに添えられるジャガイモのピューレにレモン風味が入ることで、さわやかさが加わり、あっさりと頂ける料理です。

4月のMENU

1
レシピ
スモークマグロのアマトリチャーナ
Amatriciana di Tonno affumicato.

Primo piatto(パスタ)

アマトリチャーナは、イタリアの首都ローマがあるラツィオ州の小さな町の伝統的なパスタメニュー。本来は豚のほほ肉(グアンチャーレ)とトマト、ペコリーノ ロマーノ・チーズで作るシンプルな料理ですが、今回は魚介料理 が得意なお店のアレンジメニューで海の幸のアマトリチャーナとしています。日本人も大好きなマグロは、イタリアでも消費量が多い魚。そしてシチリア島でマグロ漁業が盛んで、イタリアでは「il maiale del mare」海の豚と書いて、「マグロ」を意味する言葉なのですが、豚同様捨てる部位がないくらい、マグロも全ての部位を食することから、そのような言葉になっていると言われています。香しい薫製したマグロと旨味たっぷりのトマトソースにフレッシュ トマトもプラス。そしてペコリーノ ロマーノ・チーズを使ったクリーミーなソースに合わせるパスタはパッケリという大きめの筒状ショートパスタ。濃厚なソースと食べ応え抜群のパッケリは、相性抜群の組み合わせです。トマトを煮込む時は沸騰させず、コトコトと煮込みます。薫製のマグロやイタリア最古のチーズと言われるペコリーノ ロマーノ・チー ズは、保存の為にかなり塩気の強いチーズですので、味付けには十分に気をつけて下さい。

2
シチリア産エビのスパゲットーニ
Spaghettoni con gamberi siciliani

Primo piatto(パスタ)

シチリア島を代表するエビのガンベロロッソ。全身真っ赤な姿からガンベロ(エビ)ロッソ(赤)=赤エビと呼ばれているエビと手長エビの2種類を使い、エビの旨味が贅沢に味わえるパスタメニューです。2種類のエビの表面を焼いたら白ワインで魚介の臭みを飛ばし、トマトの旨味をプラス。そして味付けは直接塩をするのではなく、パス タを茹で汁でソースに味付けをします。固形の塩で塩味をつけるよりは、液体で塩味をつけた方がエビに味が入りやすく、味わいが良くなりますますので、イタリアではレストランでも茹で汁を使って味付けする事が多いです。 贅沢な2種類のエビの旨味を太めのパスタ、スパゲットーニで頂きます。

3
レシピ
カルボナーラ風クレープ
Crepes alla carbonara

Primo piatto(パスタ)

フランスの郷土料理ガレット(クレープ)とローマが属するラツィオ州の郷土料理のカルボナーラが融合したメニュー。カルボナーラに必要なタマゴ、グアンチャーレ(豚のほほ肉の塩漬け)、ペコリーノ ロマーノ・チーズを使っ て、革命的なメニューに変化したカルボナーラ風クレープ。卵黄を湯煎にかけながら空気を含ませたふんわりソー スとクレープにペコリーノ ロマーノ・チーズをのせて香ばしく焼き上げ、さらにカリカリに焼いたグアンチャーレをのせる。それぞれはバラバラでもお口の中でカルボナーラを感じる新感覚の斬新なメニューです。グアンチャーレは、焼くと脂分がたっぷりと出ますので、しっかり脂切りをして下さい。

4
牛の頬肉・キノコのクリームソース
Guancia di manzo con crema di funghi

Secondo piatto(メイン料理)

フランス北西部ノルマンディーは酪農が盛んでお料理にもバターや乳製品を豊富に用いた料理が代表的な郷土料理。 こちらのお料理にもその特徴が顕著に表現されているひと皿。ノルマンディーの香草入りバターを使い、マッシュルームをソテーしたクリームソースは濃厚な中にトリュフオイルを少量加えることで、トリュフの香りをほのかに 楽しめるソースと柔らかく煮込んだ牛肉、そしてジャガイモピューレ添えは、フランス北西部の郷土料理がいっぱ い詰まった一品です。

5
レシピ
プンタレッレのパスタ・ほほ肉ベーコン添え
Strozzapreti con puntarelle e guanciale

Primo piatto(パスタ)

手打ちパスタで作られるストロッツァプレティは、エミリアロマーニャ州の伝統的な手打ちパスタ。タマゴを使わず粉と水だけで練ったシンプルなパスタですが、パスタの名前の由来は「僧侶殺し」。何とも物騒な由来ですが、そんな名前の由来は、このパスタを作る際、両手で生地をねじる姿が首を絞めているように見えているからだと言われています。ソースの具材は、古代ローマ時代からローマっ子に愛されてきたアーティチョークとローマ以外ではあまりお目にかかれない、ほろ苦さがあるプンタレッラ、そして豚の頬肉のグアンチャーレを使ったソース。パスタのモチモチ感とアーティチョークの独特の香りとほんのり感じる甘さ、グアンチャーレの旨味と塩気、プンタレッラのほろ苦さがお口に広がるひと皿です。アーティチョークもプンタレッラもローマの冬野菜。これらの食材がローマの市場から姿を消し始めると本格的な春の訪れを感じさせてくれます。ソースの味付けは茹で汁を使って、グアンチャーレやパルミジャーノ レッジャーノ・チーズの塩気も加味して味付けします。パスタをソースに加えたら手早く混ぜ合わせ、チーズの風味を壊さないように必ず火からはずして混ぜ合わせます。

6
豚足のワイン煮込みとジャガイモのピューレ
Stinco di maiale brasato al Barolo con purè di patate.

Secondo piatto(メイン料理)

ブラザートという料理は、北イタリア・ピエンモンテの郷土料理。牛肉を香味野菜、ピエモンテ特産赤ワインの王様「バ ローロ」といっしょに漬込んでから、牛肉を焼いてコトコトと煮込みます。それを豚足でアレンジしたシェフ渾身の一品。赤ワインで漬け込む事で、肉の臭みを消して、肉質を柔らかくします。イタリアでは豚肉は捨てる事なく あらゆる部位を食しますが、ローマ市内には古代ローマ時代から 1960 年代まで続いていた屠殺場がありました。 上質な部位は貴族が食べて、残りの部位は庶民が食べていた食文化があり、臓物や豚足もその流れでローマの庶民的な郷土料理と発展しました。そして豚足の赤ワインに添えられたジャガイモのピューレは、ブラザート料理に欠かせない相性抜群の組み合わせです。

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